研究課題/領域番号 |
63480334
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
中村 紀夫 東京慈恵会医科大学, 脳神経外科, 教授 (30056494)
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研究分担者 |
望月 龍二 東京慈恵会医科大学, 脳神経外科, 助手 (10147358)
入倉 哲郎 東京慈恵会医科大学, 脳神経外科, 講師 (80124535)
坂井 春男 東京慈恵会医科大学, 脳神経外科, 助教授 (50057048)
高津 光洋 東京慈恵会医科大学, 法医学, 教授 (60010089)
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キーワード | 安全帽 / ヘルメット / 頭部外傷 / 自動二輪車 / 交通事故 / 衝撃緩和 / 発泡スチロール / ガラス線維強化樹脂 |
研究概要 |
臨床資料 最近慈恵医大脳神経外科に受診した二輪自動車事故による頭部外傷患者119例について検討した。この中でヘルメット着用者は78名であった。頭頂部を路面で打っている場合が最も多い。ヘルメット着用者で外傷時意識を消失している者が53%、頭蓋骨骨折のあった者は3名、CTスキャンで異常所見のあった者は10名であった。 剖検資料 慈恵医大で剖検された44例の二輪車事故死について総括検討した。頭部外傷死22名50%、胸部外傷死16%、腹部外傷死11%であった。頭部外傷死22名中20名はヘルメット着用者であり、過半数は即死又はそれに近い重傷である。衝撃はヘルメットが脱落していなかった29名では、頭の衝撃が極めて大きかったものが41%であった。 実験成績 延5日間にわたって日本自動車研究所( 団法人)の協力の下に施行した、JIS規格B・C種乗用車安全帽の人頭衝撃緩和能力に関する成績は、次の通りである。 安全帽を米国NHTSA提案のビニール系ゴム(代用皮膚)で被覆した、HyBridII形人頭ダミーに所定の如く装着し、この人頭を最低25cm最高250cmの高さから、平面鉄板上に自由落下させた。コントロールとして、安全帽をかぶせない同上人頭ダミーを同様に25-75cmから自由落下させた。鉄板への衝撃部位は、予め測定して決めておいた前頭部・側頭部・後頭部のいずれかである。衝撃時の平均衝撃加速度・平均持続時間および瞬間衝撃速度を計測し、衝撃時の人頭ダミーの挙動をVTRで観察した。その計測値を我々が完成した人頭衝撃耐性曲線にあてはめ、同時にHEAD INJURY CRITERIA値を計算した。これまで判明している限り、安全帽なしの場合、75cm落下で既に危険な衝撃になるが、安全帽をかぶっていると、ほぼ183cm落下まで安全域に入ると考えられ、現在医学的見地から詳細に検討している。
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