研究課題/領域番号 |
63480335
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研究機関 | 藤田学園保健衛生大学 |
研究代表者 |
神野 哲夫 藤田学園保健衛生大学, 医学部・外科学, 教授 (90084540)
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研究分担者 |
横山 哲也 藤田学園保健衛生大学, 医学部・外科学, 助手
亀井 義文 藤田学園保健衛生大学, 医学部・外科学, 助手
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キーワード | Naurostimulation / Dorsum Column Stimulation / Vegetative status / Cervical electric stimulation |
研究概要 |
昭和63年度は現時点での脊髄後策電気刺激療法の適応を、23例中の8例の有効例と他の無効例を比較検討する事により確立した。即ち現在まで8例の臨床的改善を示した症例を得ている。臨床的改善とは周囲と明確に意志疎通が出来るようになったり、話せたり、自ら食事をしたり、笑ったり、命令に応じて追視したりする事である。この8例中6例は30歳以下の若年者である。若年者に明らかに有効例が多い。又この8例中6例は原疾患により遷延性意識傷害となって9ケ月以内にDCSが行われている。遷延性意識傷害に陥ってより、なるべく早期に、このDCSを行った方が良いと思われるが、2例はこの状態になって約30ケ月後にDCSが行われており必ずしも早期に行えば良いと単純に割り切れるものでもない。DCSを行って、刺激を開始して後、明らかな臨床的改善を認める時期は最長12ケ月であった。即ちDCSが有効であったか否かの判断は少なくとも12ケ月は待たねばならぬという事である。有効例と無効例のCT所見の比較は興味のあるところである。結論から言えば無効例のCTで共通している所見は(1)全体的な著明な脳萎縮が認められる。(2)両半球にまたがる広範囲な低吸収域を認める。(3)広範な半球の低吸収域が視床をも巻き込んでいる。(4)脳幹に明瞭な大きな低吸収域を認める。の4項目である。逆に有効例ではこれらの所見が認められないか、あっても軽微なものである。また各症例の経時的CT所見を検討してみると原疾患発生時は一件それ程の大きな異常所見を呈さずとも、時間の経過と共に脳萎縮が出現し、著明なものへと完成していく、一連のnatural courseとも言うべき変化を見せている。以上のCT所見の有効例と無効例の差はかなり明瞭な差であり、我々は現時点で症例のDCSの適応決定にこのCT所見を再重視している。又、一連のnatural courseとも言うべきCT所見を再重視している。又、一連のnatural courseとも言うべきCT上の変化より、脳萎縮が出現及び完成する前にこのDCSを行うべきであろうと考えている。
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