研究課題/領域番号 |
63480341
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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研究分担者 |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60191558)
藤原 桂樹 大阪大学, 医学部, 助手 (10199383)
江原 宗平 大阪大学, 医学部, 助手 (40176780)
内田 淳正 大阪大学, 医学部, 講師 (40176681)
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キーワード | 悪性腫瘍 / 脊椎転移 / 骨シンチグラフィ- / staging system / 人工椎体 / 脊柱支持性 / 脊髄除圧 / 脊椎前方進入法 |
研究概要 |
1)脊椎転移の早期発見に有効な画像診断法。^<99m>Tc phosphate骨シンチグラフィ-が最も鋭敏であった。2)骨転移の病期分類ならびに、病期促進要因(risk factor)の追求。骨転移は胸・腰椎と肋骨からなる中枢骨格に始まり、頭蓋・骨盤・胸骨の中間骨格に拡り、四肢(末梢)骨格に達して最終病期となることが判明した。これにより患者の生命予後、手術適応の判定が、正確になった。転移巣の骨融解像に血中の腫瘍マ-カ-活性などがrisk factorとして重要であった。3)現在までの研究結果より、脊椎転移例に対する外科治療は前方進入による病巣切除と脊椎の安定性獲得が正しいという結論に達しており、さらに人工椎体の開発と椎体置換手術の工夫を継続した。腰椎用人工椎体を中心にアルミナセラミック製の人工椎体の強度、耐用性をさらに向上させるために脊椎応力試験器を用いてメカニカルな強度、形状を再検討した。その結果腰椎用人工椎体は従来の前後、左右径、18X18、20X22、22X22、22X26であったものを22X30、25X30と変更した。これにより生体力学的強度は前後屈、回旋、圧迫の各方向に増加、改善を認めた。さらにくり返し疲労試験を行う予定である。器具としては新しいスプレッダ-を開発しより広い視野の獲得により徹底した腫瘍切除による除圧と良好alignmentを確実に得られるようになった。腰椎後方へ腫瘍が侵入している場合、人工椎体と椎弓切除を加えても、獲得された支持性は低下せずさらにInstrumentationと併用してより支持性を高めることも可能であり人工椎体手術の適応が拡大された。4)腫瘍再発や、播種の抑制に有効な補助治療法の開発。人工椎体置換後の放射線照射と抗癌剤による胸腔・腹腔内洗滌が有効であると判明した。
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