研究課題/領域番号 |
63480346
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
諏訪 邦夫 東京大学, 医学部, 助教授 (50010202)
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研究分担者 |
小倉 信 東京大学, 医学部, 助手 (50185568)
田上 恵 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90107657)
花岡 一雄 東京大学, 医学部, 助教授 (80010403)
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キーワード | 吸入麻酔薬 / 硬膜外麻酔 / 脊髄 / ファ-マコキネティクス / ゼノン / ハロセン / エ-テル |
研究概要 |
吸入麻酔薬の脊髄への作用は、従来僅かながら研究されてきた。われわれは本研究で、吸入麻酔薬を硬膜外腔に投与した場合も麻酔作用がみられることを確認した。 本研究は、吸入麻酔薬をこの経験から投与した状況での神経生理学と薬動力学(ファ-マコキネテイックス)とを研究し、あわせて臨床デ-タの蓄積を計るものである。 以上の目的で開始した研究に関して、 1.臨床研究はほぼ予定通りに進み、デ-タも蓄積している。 2.ネコの脊髄表面にハロセンを液体状のまま塗布した場合は、良好な麻酔作用が観察されず、かえって“刺激作用"が発現する場合のあることが判明した。脊髄表面に気体状の吸入麻酔薬を持続的に投与することがむずかしく、研究は難航している。 3.硬膜外腔に吸入麻酔薬を投与した場合の、呼気内吸入麻酔薬濃度が極めて低値である。検出は可能であるが、定量的測定が現時点では実現していない。 低濃度の吸入麻酔薬を測定するシステムの改良を検討している。 4.この関係を検討するべく、精緻なモデル作成の準備を開始した。 ハロセンの硬膜外投与によって、局所麻酔薬による硬膜外麻酔が増強されることはすでに学会で発表してあったが、論文として完成・発表した。気体状エ-テルにも同様な作用のあることが判明した。 この研究成果を中心に、1989年12月マニラ市における国際学会(第6回アセアン麻酔学会総会)において、“Combined Epidural and General Anesthesia Technique"と題して特別講演を行なった。
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