研究課題/領域番号 |
63480349
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
小栗 顕二 香川医科大学, 医学部, 教授 (40079934)
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研究分担者 |
小松 久男 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90162049)
蒲生 寿美子 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (40128765)
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キーワード | 吸入麻酔薬 / マウス / ショウジョウバエ / 後弓反張、麻酔薬感受性 / 脳内脂質 / 株間差 / 麻酔薬間差 |
研究概要 |
(1)マウスの麻酔導入中後弓反張発生率の株間差・薬剤間差について 頭部及び尾が水平より15度以上持ち上がるものを後弱反張とみなすと、セボフルレン、イソフルレン、エンフルレン及びハロセンの麻酔導入中ではddN株の後弓反張発生頻度はそれぞれ94%、83%、27%、0%であり、RIII株のそれは、それぞれ29%、8%、0%、0%である。またC_<57>BL株のイソフルレン麻酔中の発生頻度は12.5%であった。 (2)マウスのJump-box電撃回避学習の向上と麻酔薬の影響について 最初の30回の試行のうちの回避成功数は30回中ddN株が18.1回、RIII株が11.1回、C_<57>BLが7.9回で、翌日の伸び率はddNで1.37、RIIIで1.40であるが、最初の30回試行直後に2%エンフルレンを2時間吸入させたマウスの翌日の伸び率はddNで1.51、RIIIで1.39、C_<57>BLで1.28である。 (3)ddNとRIIIの脳内脂質分析 総脂質中のコレステロール量(約0.2ng/mg)やPi量(約20μg/mg)に系統間差はなかったが、加水分解して得られる脂肪酸の組成には炭素数20以上の長鎖脂肪酸について若干の差があるようで、現在その成分の固定と定量を進めている。 (4)ショウジョウバエにおける麻酔薬抵抗性株と感受性株の弁別と陶汰株の育成及びP因子の導入 エーテル麻酔抵抗性、感受性および高感受性系統におけるED_<50>はそれぞれ3%、1.7%、1.2%で、セボフルレンのED_<50>は1.5%前後であった。エーテル感受性のbw:st:sv^nはセボフルレンに対しても感受性で1.09%であったが、エーテル抵抗性や高感受性のものはセボフルレンに対してはそうでないので、感受性の度合は兩麻酔薬で発現のメカニズムが異なると推測される。目下、P因子を入りこませて感受性の異なる系統を作り、DNAをとり出すことを行いつつある。
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