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1990 年度 実績報告書

リドカイン代謝ー代謝系路とPー450選択性、病態・薬物との関連について

研究課題

研究課題/領域番号 63480352
研究機関大阪市立大学

研究代表者

西 信一  大阪市立大学, 医学部, 助手 (20189244)

研究分担者 浅田 章  大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00047367)
キーワードリドカイン / 肝ミクロゾ-ム / Pー450NF / チトクロ-ムPー450
研究概要

実験動物の肝臓でのリドカイン代謝については多くの報告があるが、ヒト肝臓での報告は少い。そこでヒト肝組織でのリドカイン代謝を検討する目的で、手術の際に剔出されたヒト病理肝組織よりミクロゾ-ムを調製し、含まれるチトクロ-ムPー450(Pー450)、NADPHチトクロ-ムPー450還元酵素を測定した。これらは個体差が大きく、Pー450含量、Pー450還元酵素ともラットの場合よりも含量が少なかった。しかしながら術前から服用していたカルシウム拮抗薬やアシギオテンシン転換酵素等の降圧薬・亜硝酸薬の影響や、ラットで認められた雌雄差は認められなかった。次にこのミクロゾ-ムを用いてリドカイン代謝実験を行ったところラット肝ミクロゾ-ムの場合と同様にNー脱エチル化によるmono ethyl glycine xylidide(MEGX)が最も主要な代謝産物であったが、ベンゼン環の水酸化によって生ずる3ーhydroxylidocaineの主成量は非常に少く、メチル基の水酸化によるmethylhydroxylidocaineは全く生成が認められなかった。また、これらミクロゾ-ムは高いニフェジビン酸化活性やテストステロン6β水酸化活性を有ずることも明らかになり、これらの間には高い相関関係が認められた。従ってこれらの薬物の代謝には同じ種類のPー450が関与している可能性が考えられた。そこでウサギより得たP450PBー1抗体がヒト肝ミクロゾ-ム中のPー450NFと特異的に交又することを用いてPー450NF量を測定したところ上記の3種類の代謝活性とPー450NF量との間に強い相関が認められ、Pー450NFがこれらの反応に関与していることが示唆された。そこで次に抗ヒトPー450NF抗体をミクロゾ-ムに加えてリドカイン代謝の阻害実験を行ったところMEGXの生成量はH40・6減少した。以上の実験結果よりヒト肝臓においてリドカイン代謝に関与しているPー450分子種がPー450NFであることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小田 裕: "局所麻酔薬リドカインのチトクロ-ムPー450による代謝" 麻酔薬代謝と肝腎障害. 9. 57-60 (1988)

  • [文献書誌] 榎本 小弓: "ヒト肝臓ミクロゾ-ムによるリドカイン代謝" 麻酔薬代謝と肝腎障害. 10. 1-4 (1989)

  • [文献書誌] Oda,Yutaka: "Metabolism of liducaine by purified lat liver microsomal cytochrome Pー450 isozymes" Biochemical Pharmacology. 38. 4439-4444 (1989)

  • [文献書誌] 吉田 範子: "Pentobarbital大量療法前後におけるDiphenylhydantoinの血中濃度の推移とVmax,Kmの変化について" 麻酔薬代謝と臓器障害. 11. 5-8 (1990)

  • [文献書誌] 小田 裕: "ヒト肝ミクロゾ-ムによるメビバカイニの代謝について" 麻酔薬代謝と臓器障害. 11. 9-12 (1990)

  • [文献書誌] Imaoha,Sasumu: "Lidocaine meeabdim by human cytachrame Pー450s purified from hepatic microsanes:comparison of those with rat hepatic cytochromes Pー450s" Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. 255. 1385-1391 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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