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1988 年度 実績報告書

多臓器不全の病態生理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480353
研究機関帝京大学

研究代表者

岡田 和夫  帝京大学, 医学部・麻酔科, 教授 (30082093)

研究分担者 篠塚 敬子  帝京大学, 医学部・麻酔科, 助手 (30196399)
森恒 音羽  帝京大学, 医学部・麻酔科, 助手 (20182256)
菊田 好則  帝京大学, 医学部・麻酔科, 助手 (30129994)
キーワード組織酸素分圧 / 近赤外臓器分光光度計 / 出血性ショック
研究概要

多臓器不全はショックの進行した姿として出現する。出血性ショックをモデルとして脳・肝の組織酸素分圧をイヌについて検討して臓器不全の発生の状況を追跡した。局所臓器血流は熱勾配式組織血流計により、局所組織酸素分圧はポーラロ方式酸素分圧電極によって測定した。出血モデルは血圧レベルの調節により80mmHg、60mmHg、40mmHgと徐々に低下させる方式により、血圧低下の度合によって肝・脳について組織酸素分圧の変動に差がないかを検討した。脳組織酸素分圧は低下の度合が少なかったが、肝組織酸素分圧は血圧低下が著しくなるにつれて次第に低下してきた。多臓器不全はショックが遷延した時に肝・腎・肺などが機能不全を生じてくる病態であるが、本研究によっても出血性ショックの度合が進行するにつれて臓器間での組織酸素分圧の低下に差が生じることが示された。これで多臓器不全での標的器官に肝・腎がなりやすいことが証明されたことになる。
反対に脳の組織酸素分圧は血圧がかなり下降しても比較的良好に維持されていたが、これは心拍出量の低下に対する生体のホメオスターシスを示す所見である。
この同じショック状態で、細胞内酸素需給関係をみるため近赤外臓器分光光度計により細胞内酸素還元状況を測定した。組織酸素分圧の低下と対比して細胞内酸素還元状況をみることはより直接的なアプローチとして有意義である。脳、肝について近赤外線吸収波長を選んでチトクロームA,A_3を特異的に選別、測定するように工夫した。細胞内酸素需給関係が出血性ショックの度合によってどのレベルになると悪化してくるかを肝、脳について比較検討している。この結果をもとに多臓器不全の発生の機序とその対策を考えている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 梶山研三: 麻酔. 37. 923-832 (1989)

  • [文献書誌] YOSHINORI KIKUTA.: Microcirculation in Circulatory Disorders. 490-502 (1988)

  • [文献書誌] KAZUO OKADA.: Microcirculation in Circulatory Disorders. 503-509 (1988)

  • [文献書誌] 森恒音羽: Shock. 2. 66 (1987)

  • [文献書誌] K,OKADA.: "Micro circulation in circulatory disorder" Springer Verlag, 503-509 (1988)

  • [文献書誌] Y.KIKUTA.: "Micro circulation in circulatory disorder" Springer Verlag, 499-502 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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