研究課題/領域番号 |
63480354
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
藤田 喜久 川崎医科大学, 麻酔科, 助教授 (10144263)
|
研究分担者 |
遠藤 恵美子 川崎医科大学, 麻酔科, 助手
木村 健一 川崎医科大学, 麻酔科, 助手
大隅 昭幸 川崎医科大学, 麻酔科, 講師 (90140532)
|
キーワード | 肝臓循環 / 血液量 / Evans blue / 光ファイバー / 色素希釈曲線 |
研究概要 |
1.腹腔循環とくに肝臓循環への麻酔の影響を検討することが本研究の主題であるが、予備研究として、動脈血二酸化炭素分圧の腹腔循環および肝機能への影響を犬を用いて検討した。その結果、低二酸化炭素血症では肝臓血流量は減少するものの肝機能は比較的よく維持されているが、高二酸化炭素血症では肝臓血流量は増加するものの肝機能の抑制がおこることを認めた。 2.本研究の本年度の主課題は光ファイバー色素濃度測定装置を試作することであったが、in vitroにおいて使用可能な装置の実用化に成功した。これにより門脈に注入されたEvans blue色素の肝臓での正確な希釈曲線を計測し、肝臓内Evans blue分布体積を測定するのが可能となった。本装置は平成元年度および同2年度に計画している研究の遂行上、重要なものである。実用化に成功した本装置の概要は以下の通りである。 光ファイバーとして、端面処理が容易であり、種々の発光素子、受光素子との接続工作が比較的容易であるプラスチック光ファイバー(エスカEH-4002、三菱レーヨン)を選択した。発光素子として超高輝度LED(HAA-5566X、スタンレー)、受光素子としてシリコンピンフォトダイオード(HPI-2BC、光電子)を使用し、血中の色素による光量の変化を電流の変化に変換し、さらに高感度直流増幅器によりこれを増幅して血液中の色素希釈曲線を測定する。そして現在、摘出潅流肝を対象として、肝臓内色素希釈曲線を測定し麻酔薬による肝臓循環への影響を研究している。今後はin vivoで肝静脈内にファイバーを留置し、色素希釈曲線を測定可能な装置を製作する予定である。
|