研究課題/領域番号 |
63480363
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 九州大学 (1989-1990) 北海道大学 (1988) |
研究代表者 |
和気 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
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研究分担者 |
今村 利朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10221095)
宮本 新吾 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40209945)
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60214392)
岩永 知久 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80213304)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 胞状奇胎 / 絨毛癌 / 癌抑制遺伝子 / 細胞融合 / 微小核融合 / 7番特異的cDNA発現ライブラリ- / 遺伝子単離 / Gene cloning |
研究概要 |
絨毛癌の発生には、複数の癌遺伝子の活性化および癌抑制遺伝子の不活化が関与しているものと考えられる。胞状奇胎は雄性発生を原因とするため対立遺伝子間でのホモ接合形成という遺伝的特徴を有する。このためその続発疾患である絨毛癌の発生には癌抑制遺伝子の関与が他の腫瘍よりも濃厚に示唆される。本研究ではまず絨毛癌化の抑制に関与する遺伝子群が存在するのか否かを検討するため、絨毛癌細胞(CCI)と子宮内膜癌細胞(HHUA)との関で融合細胞を形成しその造腫瘍性を検討した。解合細胞は足場非依存性増殖の著明な低下およびヌ-ドマウス上での腫瘍形成の消失が観察されたため、正常絨毛細胞には特有のかつ優性な癌抑制機構が存在し、絨毛癌はそれからの逸脱により発生すると推測された。次に絨毛癌抑制遺伝子群の局在する染色体を同定するために、微小核解合法に基づく単一染色体移入を絨毛癌細胞株(CCI)に対し施行し、解合細胞の増殖特性および造腫瘍性について検討した。この結果ヌ-ドマウスでの腫瘍形成率は親細胞では100%で、1,2,6,9,11番染色体単一移入クロ-ンとの間で有意差を認めなかった。しかし7番染色体単一移入クロ-ンでは腫瘍形成率、足場非依存性増殖、細胞倍加速度の有意は低下が観察された。一方血清要求性、細胞飽和密度はこれらの細胞間で差が認められなかった。以上の結果からヒト7番染色体上には絨毛癌の抑制に関与する優性な遺伝子群が存在することが推測されたため、ヒト7番染色体をもつマウスA9細胞と親細胞(A9)からそれぞれcDNAを作製し、サブトラクション後7番染色体特異的cDNA発現ライブラリ-を得た。続いて本ライブラリ-に対し、正常絨毛と絨毛癌CCL細胞より抽出したmRNAをプロ-ブとて、コロニ-ハイブリダイゼ-ションおよびシュイサイド・セレクション法を用いた癌抑制遺伝子単離を行っている。
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