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1990 年度 実績報告書

光工学的手法による子宮内胎児環境因子の測定とその臨床意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480365
研究機関浜松医科大学

研究代表者

寺尾 俊彦  浜松医科大学, 医学部, 教授 (60022852)

研究分担者 山下 豊  浜松医科大学, 医学部, 寄附講座教員
住本 和博  浜松医科大学, 医学部, 助手 (30126817)
金山 尚裕  浜松医科大学, 医学部, 助手 (70204550)
前田 真  浜松医科大学, 医学部, 講師 (30135264)
能登 裕志  浜松医科大学, 医学部, 講師 (80115500)
キーワードmeconium / amnioscopy / fluorescence / amniotic fluid / meconium aspiration syndrome
研究概要

われわれは、胎便中に405nmの励起光に対して、580nmにピ-クを持つ蛍光を発する物質が含まれることを見出し、この光学的な特性を利用した新しい羊水中の胎児情報を得るシステムを開発した。本年度はこの蛍光物質を精製、同定すると共に、このシステムを用いて、周産期における各種診断の有用性を検討した。
1)胎便中の蛍光物質を精製し、亜鉛コプロポルフィリンIであることを同定した。
2)妊娠後期の陣痛が発来していない妊婦130例において、無作為に経腟的に羊水中の蛍光強度を測定し、その胎便成分の有無と分娩転帰について比較検討した。胎便由来の蛍光ピ-ク検出群50例と非検出群80例を比較したところ、検出群に有意にPROM、IUGR、新生児仮死、臍帯卷絡が多く認められ、妊娠後期における胎便成分検出の有無が妊婦のスクリ-ニングに有用であることが示唆された。
3)胎便吸引症候群(MAS)診断に本法が有用か否か検討した。羊水混濁を認め、臨床的にMASと診断された3症例、臨床的にMASと診断されないが羊水混濁を認めた18症例、羊水混濁を認めず、臨床的にもMASと診断されない25症例の三群の新生児尿の蛍光ピ-クを測定した。MAS群では明らかに高値を示し、有意差をもって解離した。また、新生児の臨床症状とも一致し、MASの新しい診断法となることが判明した。
4)羊水塞栓症は予後が非常に悪く、未だ浸襲の少ない診断法は確立されていない。そこで本法よりも、より高感度で検出可能なHPLCを用いた測定系を確立した。羊水混濁を認めない正常妊婦56例、羊水混濁を認めた妊婦12例、羊水塞栓症6例の血漿中の580nmのピ-ク値を比較した。羊水塞栓症例では明らかに高値を示し、この三群間では有意な差が認められ、羊水塞栓症の診断に有用であることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 成瀬 寛夫: "胎児尿由来コプロポルフィリンを指標とした羊水塞栓症の診断に関する研究" 日本産科婦人科学会雑誌. 41. S148 (1990)

  • [文献書誌] 成瀬 寛夫: "蛍光測定によるMAS診断法とその指標物質に関する研究" 日本産婦人科学会関東連合地方部会報. 51. 141 (1990)

  • [文献書誌] 住本 和博: "イメ-ジング機能を兼ね備えた蛍光羊水鏡の開発" 日本産婦人科学会雑誌. 43. S203 (1991)

  • [文献書誌] 金山 尚裕: "Zn Coproporphyrinを利用した羊水塞栓症の新しい診断法" 日本産婦人科学会雑誌. 43. S185 (1991)

  • [文献書誌] Naohiro Kanayama: "Determination of Zinc Coproporphyrin I in Maternal PlasmaーA new method for diagnosis of amniotic fluid embolism" Clinical Chemistry. (1991)

  • [文献書誌] Kentaro Horiuchi: "Isolation and Characterization of ZnーCoproporphyrin I.A Major Fluorescent Component of the Porphyrin Family in Meconium." Clinical Chemistry. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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