研究課題/領域番号 |
63480367
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷澤 修 大阪大学, 医学部, 教授 (30028443)
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研究分担者 |
古山 将康 大阪大学, 医学部, 助手 (00183351)
東 千尋 大阪大学, 医学部, 助手 (20151061)
佐治 文隆 大阪大学, 医学部, 講師 (90093418)
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キーワード | ブル-スクリプトベクタ- / in vitro mutagenesis system / DNAシ-クエンス / in vitro transcription / アフリカツメガエル卵母細胞 / Enzyme-imonuro assay / 先天性TSH欠損症 |
研究概要 |
ブル-スクリプトベクタ-に組み込んだ、HCG β cDNAに対し、in vitro mutagenesis system(アマ-シャム社)を用いて、CAGY領域のGCC(Ala)→GAC(Asp)、GGC(Gly)→CGC(Arj)及びGAC(Asp)の塩基置換を行った。塩基置換が正確に行なわれたことは、置換部のDNAシ-クエスを行い確認した。T_3RNAポリメラ-ゼを用いて、α鎖cDNA、β鎖cDNA、3種のmutant β鎖 cDNAに対応するmRNAを合成した。in vitro transcriptionが正確に行なわれたことを、合成産物をアルカリゲルに電気泳動する事により確認した。α鎖とβ鎖の合成mKNA混合物及びα鎖とmutantβ鎖の合成mRNAの混合物を、アフリカツメガエルの卵母細胞に50ng/0.5μg/μl/Oocyteの割で注入し、卵の培養上清中のHCG量をEnzyme imonuro assayにて測定した。α鎖と正常β鎖の合成mRNAを注入した卵の培養上清中には5mIV/mlのHCGを認め、このHCGはラットの精巣間質細胞のテストステロン分泌を亢進する生理活性を有していた。CAGY領域のAla→Aspの変換では培養上清のHCG値は5mIV/mlと変化は認められなかった。Gly→Arj及びGly→Aspの変換では培養上清中のHCG値はいずれも0.5mIV/ml以下と1/10以上の低下を示した。Gly→Akgの変換は「宮井」らの報告した先天性TSH欠損症におけるTSHのβ鎖に認められるものと一致しており、CAGY領域の中でも特にGlyの部位におけるmntationが、HCG産生に重大な影響を及ぼす事が判明した。更にTSH欠損症の場合においてもβ鎖に同様のアミノ酸変換が認められる事より、CAGY部のGlyは他のLH、FSHにおいてもホルモン産生に重要である事が考えられる。
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