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1989 年度 実績報告書

ヒト胎児における行動の発達と中枢神経系の制御機構の連関に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480369
研究機関九州大学

研究代表者

中野 仁雄  九州大学, 医学部, 教授 (40038766)

研究分担者 井上 充  社会保険佐賀病院, 産婦人科, 医長 (20138332)
下川 浩  九州大学, 医学部, 講師 (30128037)
小柳 孝司  九州大学, 医学部, 助教授 (30136452)
キーワードヒト胎児 / REM睡眠 / Rapid eye movement / Slow eye movement / Muscle atonia / 個体発生 / 超音波電子スキャン / 折線回帰
研究概要

ヒト胎児において、REM睡眠とみなすことのできる状態が存在するか否か、そして実在するとすれば、それは妊娠の進行にともなってどのような発達過程をたどるのかを明らかにすることを目的として、眼球運動の検討を行った。対象には妊娠33ー36週(I群)の10例、37ー41週(II群)の11例、計21例の正常胎児を用い、超音波電子スキャンによって観察した。眼球運動の1単位はレンズが静止した状態から、移動し、再び静止するまでの動きと定義し、眼球運動1単位毎における運動の持続時間を計測した。解析に当たっては、1例毎に、任意の運動単位の持続時間(D_x)と、最も持続が短い運動からD_xまでの持続時間の累積度数(T_x)を求めた後に、各妊娠週数群において、X軸にD_x、Y軸にT_xを配した散布図を描いた。ついで、この散布図を折線回帰(Piecewise linear regression analysis)を用いて解析し、変曲点を求めた。その結果、IおよびII群の各々において、D_x値が0.61秒(Cp=-4.53)、0.78秒Cp=-8.20)に統計的に有意な変曲点が存在することが明らかとなった。このことは胎児の眼球運動には特性を異にする2種の、云い換えれば、持続時間が0.6ー0.8秒より短い運動とそれより長い運動との双方が存在することを意味している。前後者は各々Aserinskyが定義したRapid eye movement、Slow eye movementに対応する。Slow eye movementは骨格筋のト-ヌスの低下を反映すると報告されている。したがって、本研究で得られた成績はヒト胎児において、遅くとも妊娠33週以降になるとREM睡眠といえる胎児の状態が存在することを示す。I群およびII群の変曲点におけるT_xの平均値は各々29.0%、41.7%であった。このことは妊娠の進行にともなって、Rapid eye movementの眼球運動全体に占める割合が増加することを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松本桂子: "ヒト胎児における眼球運動期/眼球運動静止期に関する研究ー妊娠の進行にともなう両現象の持続時間の推移についてー" 超音波医学. 16. 539-540 (1989)

  • [文献書誌] Shin Nagata: "Chronological development of the fetal stomach assessed using real-time ultrasound" Early Human Development. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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