研究課題/領域番号 |
63480370
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
永田 行博 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30038806)
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研究分担者 |
飯隈 忠仁 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (30202807)
新村 亮二 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (70171080)
沖 利貴 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30107867)
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キーワード | 骨質量 / 外科的去勢 / 無月経 / MD法 / CTスキャン法 / 骨代謝の生化学的パラメーター |
研究概要 |
今回、私達は若い人工閉経後婦人、および卵巣機能不全婦人を対象に骨質量と骨代謝の経時的変化について検討し、その対策も検討した。対象は、悪性腫瘍後、卵巣摘出群47名(30才代20名、40才代27名)、無月経群24名(平均28.8才、治療群11名、無治療群5名、追跡不明8名)とし、血中estrogen、calcitonin、testosteron、PTH、ALP、P、Ca1.25(OH)_2P_3を測定し、骨質量については、MD法とCTスキャン法(第3腰椎海綿骨骨量測定)を用いた。 その結果、外科的去勢による骨質量の変化は、MD法では、30才代(Normal群、平均33.6才)に比較して去勢後0〜1年、2〜3年、4〜6年群では有意な変化(骨質量の減少)を認めなかったが、40才代(Normal群、平均44.2才)では、去勢後0〜1年群(平均46.7才)2〜3年群(平均45.8才)は、減少傾向を認め4〜6年群(平均44.3才)は、有意な減少(骨質量の低下)を認めた。つまり、年令が同一であっても骨質量の低下していることは、卵巣全摘の影響(estrogen低下)があったと考えられる。血液生化学的検査結果によると、卵巣摘出群は、対照群に比べ、estrogenは有意に低値かつ、骨吸収を抑制すると言われているカルシトニン(CT)も有意に低値であった。一般にestrogenがCTの分泌にも影響すると言われていることを証明したことになる。 CTスキャン法と、MD法の各parameterとは、かなりよい相関を認めたため、スクリーニングとしてはMD方が有用で、さらに詳細な検討を要する時は、CTスキャン法がさらに有用であると思われる。
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