研究課題/領域番号 |
63480373
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
岡 親弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20185408)
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研究分担者 |
原 崇文 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30189683)
田渕 土志夫 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30179866)
森定 優 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (40051552)
牧野 恒久 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30085758)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 習慣流産 / 不育症 / 異所性オキシトシン / ヒト胎盤オキシトシン様物質 |
研究概要 |
本研究は、慶応大学病院不育症外来の登録患者を母集団とし、従来より知られている原因に加え、異所性オキシトシンの一つであるヒト胎盤中のオキシトシン様物質の習慣流産への関与を究明すべく、臨床的検討を試みた。平成3年3月末現在、本外来の登録患者は1317名にのぼり、それらに対して先天性子宮形態異常、染色体異常、夫婦間HLA適合異常、抗リン脂質抗体症候群についての検討を行い、それらの関与のない症例に対して胎盤組織中のオキシトシン様物質の検討を試みた。具体的には、いくつかのゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィ-などを用いてオキシトシン様物質の分離・精製を行った。妊娠中の胎盤オキシトシン様物質の濃度は、妊娠初期で 1.6±0.29 ng/g placenta、中期で 20.8±1.90 ng/g pl、末期で 22.0±1.81 ng/g pl であった。習慣流産症例に対する測定では、妊娠初期の症例がほとんどで、得られた胎盤(絨毛)がごく微量であったりオキシトシン様物質が不安定なため満足な結果は得られなかった。より鋭敏で特異性のある測定法の開発が必要と思われ、そのためにはモノクロ-ナル抗体の作製が急務であるところだが、これについては現時点では内外の報告もなく因難である。 今後は、遺伝子工学的手法によるオキシトシン様物質の遺伝子クロ-ニングを行うことにより、その構造を明らかにして行く予定である。具体的には、今までに得られたポリクロ-ナル抗体を用い、まずHuman placenta cDNA libraryよりオキシトシン様物質をコ-ドするcDNAのスクリ-ニングを行い、陽性クロ-ンのcDNAインサ-トをプラスミドベクタ-に組み込み、塩基配列の決定を行っていく予定である。
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