研究概要 |
1.動的プラットフォ-ムの最終的改良とプログラムの完成を計った。 3年間に亘る研究の最終年度に当たるので、装置の改良と動作プログラムの完成を計った。装置の改良は先ず検出台の不安定さに対するもので、製作担当の第一医科との打ち合せ、その後の精細な調査により左側の圧力センサにあることを確認し、調整に成功した。次に動作プログラムに関するいくつかの問題点、すなわち、デ-タ処理を開始するトリガ-パルスがデ-タレコ-ダのon,offでも生じるので正確な加算が不可能になること、その他若干の不備な点に関して修正を加えた。 2.動的プラットフォ-ムの臨床適用 (1)平衡障害への適用 正常者並びに平衡障害患者を対象とした動的プラットフォ-ムの適用により、後者に適用する至適刺激条件の上限は、translationでは移動距離5cmのとき刺激速度20゚/s,rotationでは回転角度5゚のとき刺激速度40゚/sであることが明らかにされた。さらに反応の指標として潜時100ー200msでみられる頭部動揺およびその基線への回復時間が有用であることが示された。 (2)平衡訓練への適用 動的プラットフォ-ムによる刺激自体が、平衡障害を持つ患者に対する平衡訓練の評価に有用であることが分り、種々の平衡訓練の効果判定に用いることにした。 3.今後の研究並びに臨床への適用 今後の研究方向として,下腿抗重筋表面筋電図において、潜時の一定したフィ-ドバック反応とともに、伸展反射、前庭性代償反射を判別し個別並びに総合評価し、それぞれの臨床的価値を明らかにすること、様々の薬物の効果の判定における有用性を確認するなど計画している。
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