研究課題/領域番号 |
63480388
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
山下 公一 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20064503)
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研究分担者 |
佐々木 周興 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60178655)
宮崎 巨 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20190762)
松平 登志正 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50131032)
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キーワード | 耳管機能雌査 / 耳管内視鏡検査 / 滲出性中耳炎 / 耳管障害 / compliant tube |
研究概要 |
昨年度に引きつづき、各種耳管障害例について、耳管音響検査、圧解除機能検査、ならびに系統的な耳管内視鏡検査を行い、種々の耳管障害の病態を観察した。その結果、耳管構造の未熟性に起因すると思われるcompliant tubeにおいては、耳管音響検査ではしばしば疑陽性を示し、圧解除機能検査ではとくに陰圧解除機能が悪く、極端な例では鼻すすりによって陰圧が生ずる。このような例では内視鏡検査で耳管隆起がatrophicで入口部が軟らかく腔を形成せず、燕下運動に際して入口部前壁が膨らむように張り出して開口を妨げるのが観察された。また軟骨部は比較的短くかつ粘膜壁は異常に軟らかいが、骨部は比較的広い。観察の結果では、遷延性の滲出性中耳炎を伴う頚口蓋形態異常や口蓋裂症例、小児真珠腫性中耳炎症例にこの型の耳管障害が多く認められ、その多くの例で頭部側面のcephalomatryで《Nasionー外耳道ー後鼻棘》のなす角が小さい傾向も認められた。このことから《Nasi onー外耳道ー後鼻棘》のなす角が小さいことは耳管構造の未熟性を示すと見ることができることを示唆した。この他に、比較的少ないが耳管峡部の器質的狭窄例も時に見られた。また、耳管構造の各部位の内視鏡的観察に極細径の圧センサ-を併用した耳管の部位別圧解除機能検査法を考案し、現在その実用性の検討を続けている。 以上の検討を踏まえて、耳管障害例に対して行う臨床レベルでの検査として、耳管音響検査、圧解除機能雌査、耳管内視鏡検査を系統的に行い、耳管の部位別に障害の状態を把握する方法を確立し、各種管障害について臨床像を分析した。
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