研究課題/領域番号 |
63480399
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
西田 祥藏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10065526)
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研究分担者 |
樺山 力 愛知医科大学, 医学部, 助手 (80185967)
有木 玄 愛知医科大学, 医学部, 助手 (20184286)
水谷 聡 愛知医科大学, 医学部, 助手 (60166014)
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キーワード | 毛様体筋 / 筋原線維 / 筋細胞骨格 / 強膜岬 / 毛様体筋三次元像 / 毛様体筋筋腱構造 |
研究概要 |
1)サル眼毛様体筋細胞をフリ-ズフラクチュアおよびヂュ-プエッチング法で電顕的に観察すると細胞質中には無数の筋原線維が見られ、筋原線維は筋細胞の長軸方向の走行を取りつつ、その経過中に互いに交叉し、細胞膜とも核膜とも直接に接合し、ミトコンドリア限界膜とも接合して、筋細胞の骨格を形成し、同時に筋細胞の収縮・弛緩にはこれら筋原線維の収縮・弛緩が直接反映されることが示唆された。しかしながら今回の実験では加齢に伴う変化、自律神経作働薬による影響を超微形態的に明らかにすることは出来なかった。 2)毛様体筋の強膜との唯一の接合部位であり、毛様体筋の収縮・弛緩時の支点となることが推測される強膜岬についてサル眼毛様体筋について形態計測を行ったところ、強膜岬とシュレム氏管後端間の長さは年齢に増加と共に短縮する傾向が見られ、強膜岬が前方へ移動することが示唆された。これは年齢と共に毛様体筋が前方へ移動することを示唆しており、加齢に伴う水晶体硬化による調節時の水晶体の変形を可及的容易にするための生理的代償的変化と考えられた。 3)ヒト眼毛様体筋の強膜岬起始部における形態を連続切片により画像解析に手技を用いて三次元的に構築するために、経線・放射状・輪状の3線維が同一切片に見られる毛様体筋の最も前のレベルから強膜岬へ向けて前方へ毛様体筋を追跡した。特に経線線維は前方への経過中に同一層内の隣接筋線維束のほかに上下の筋線維束とも合体、分離を繰り返して複雑な走行を示した。また強膜岬では走行が斜め、または経線方向の菲薄な層状の線維層としてその基質間に終り、筋細胞先端には横紋筋筋腱構造と基本的に類似の構造が見られ、周囲基質との強固な結合が示唆されると同時に加齢に伴う結合織の増加は筋細胞の収縮・弛緩に、マイナス的影響を与えることが推測された。
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