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1990 年度 実績報告書

口腔諸組織の加齢変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480404
研究機関鹿児島大学

研究代表者

浦郷 篤史  鹿児島大学, 歯学部, 教授 (60047769)

研究分担者 津田 智子  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (40172019)
仙波 伊知郎  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60145505)
北野 元生  鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (10142118)
キーワード加齢 / 病理組織学 / 人体 / 歯周組織 / 舌 / 顎関節 / 4NQO / 発癌
研究概要

1.歯周組織:接合上皮細胞の分裂指数と加齢との相関関係は明らかではなかったが、20歳代前半を過ぎる頃から歯肉退縮、歯槽骨吸収、歯根膜線維の粗造化が生じ、接合上皮のびらん、潰瘍形成と歯周組織における炎症性反応の広がりと関連性が認められ、歯肉炎、歯周炎の発症、進展には接合上皮の再生力の強弱が影響している。
2.顎関節:117下顎頭の非脱灰標本を作製し、検索した結果、生下時から硝子軟骨であった下顎頭関節軟骨は、10歳を過ぎる頃から線維性となり、20歳代から関節各部の実質細胞は減少または消失し、組織再生力は低下すると考えられた。下顎頭の形態異常は20歳代からすでに認められ、加齢にともないその発症頻度は高くなっていた。このような組織変化を示す形態異常例と20歳代後半から発現する下顎頭の加齢変化との関係については今後検討する余地が残されている。
3.舌:720例の舌体中央部の標本を作製し、脂肪沈着量、舌深動脈硬化を検索した結果、加齢現象としての脂肪組織量の推移は、発育に伴う脂肪出現に始まり、線維性結合組織部への浸潤、筋線維の萎縮、変性、脱落した後の代償性沈着の総和として現れ、その変化は一定の場の量的変化とともに部位的にも変化することがわかった。また、舌深動脈硬化症は内膜肥厚と中膜の退行性変化により生じいずれも時間に対する一定の関数として捉えることができ高齢者では中膜の適応力低下により内膜肥厚を補償できず内腔狭窄が生じるものと考えられた。
4.加齢と発癌:若年と老齢ラットを用い加齢に伴う4NQO発癌感受性の変動を検索した結果、老齢群は若年群に比し生存期間が有意に長く、舌癌は若年群で巨大化傾向がみられ、Mitosis index、Brdu labeling indexでは、若年群の舌粘膜上皮は老齢群に比して4NQO投与に伴う増殖性反応が強いことが明らかにされ、4NQOに対するラットの舌発癌の感受性は加齢に伴って減弱することが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 浦郷 篤史: "口腔諸組織の加齢現象" クインテッセンス出版, 230 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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