研究概要 |
この研究により以下の様な生かが得られた。 1.オステオネクチンが硬組織形成細胞の分化マ-カ-となり得るかかを調べるために、タンパク質レベルでの発現を免疫化学的、免疫組織化学的方法により検索した。その結果、オステオネクチンは盛んに骨を作りつつある硬組織形成細胞では強く発現していたが、軟組織野細胞でも弱く発現していた。 2.オステオネクチンとSPARCが同じタンパク質であるか否かを調べるために非培養細胞であるウシ象牙芽細胞からオステオネクチンcDNAをクロ-ニングし、その塩基配列を調べた。その結果2.1KbpのオステオネクチンcDNAがクロ-ニングされた。その塩基配列からアミノ酸配列を推定したところ、17のアミノ酸から成るシグナルペプチドを含む304のアミノ酸からなり、マウスSPARCと90%以上のホモロジ-があり、両者は同じタンパク質であることが分かった。 3.このオステオネクチンcDNAをブロ-ブとして種々の組織のRNAについてNorthern blotを行ってそのRNAレベルでの発現を調べた。その結果、タンパク質と同じように、骨では強い発現が見られたが、軟組織でも程度は弱いがオステオネクチンが発現していることが確認された。 4.オステオネクチンの発現に影響を及ぼす因子について骨芽細胞様の形質を示す培養細胞を用いてNorthern blotより調べた。ヒト骨肉腫細胞MG-63とHOS細胞に於てTGF-β、1,25(OH)_2D_3はオステオネクチンとコラ-ゲンの発現を増強した。 5.ウシアメロジェニンcDNAをブロ-ブとして用いヒト染色体ライブラリ-よりアメロジェニン遺伝子をクロ-ニングした。この遺伝子の解析を行った結果、アメロジェニン遺伝子は少なくとも4つのエキソンからなっていること、ヒトアメロジェニンとウシ、ブタ、マウスのアメロジェニンのあいだで高いホモロジ-があり、それらはすべてC端側に親水性のtelopeptideを持っていることなどが分かった。
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