研究課題/領域番号 |
63480419
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 ひろし 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
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研究分担者 |
坂上 竜資 北海道大学, 歯学部, 助手 (50215612)
本郷 興人 北海道大学, 歯学部, 助手 (80199562)
戸田 郁夫 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (60188753)
佃 宣和 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (10155351)
川浪 雅光 北海道大学, 歯学部, 助教授 (10133761)
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キーワード | 歯周疾患 / 早期接触 / 咬合性外傷 / Bruxism / K6 Diagnostic System / EMG / Silent Period |
研究概要 |
本年度は歯周病患者の早期接触と咬合性外傷の実態を解明する目的のもとに研究を進め、次の成果が得られた。 1.早期接触を有する者の咬合機能状態を知り、診断に役立てる目的で習慣性Tapping時の咬筋活動と咬合接触・顎運動を同時記録し、Silent periodと初発咬合接触時間を測定した結果、早期接触を有する者では、正常者に比べSilent periodの発現率が50%以下に低下していた。初発咬合接触時間は、正常者が平均10msec±4.8msecであったのに対し、早期接触者では平均34msec±18msecと長く、75msec以上の場合も認められ、ばらつきが著明であった。歯周炎に罹患している早期接触者に咬合調整を行ったところ、Silent periodの出現率・初発咬合接触時間とも正常者の平均値に近く改善した。 2.中程度以上に進行した歯周炎患者と健康者を対象に、臨床診査およびK6-Diagnostic systemを用いて顎運動路と筋電図を記録し、咬合機能診査を行った結果、歯周炎患者では開閉運動の速度が鈍り、ふらつきが多く、終末閉口路の最大速度は健康者の1/2以下であり、最大咬みしめ時の咬筋の最大電圧も有意に少なかった。これらは早期接触などの存在により、咬頭嵌合位が不安定な者が多いことを示している。 今後さらに歯周疾患における炎症性因子と外傷性因子との関連性をより明らかにするために、中程度以上に進行した歯周炎患者に対し、歯周組織の破壊状態を把握した上で上記の外傷性因子の診査を行うとともに、炎症性因子の一般的診査、さらに蛍光抗体法を応用した細菌学、免疫学的な診査を行い、両者の関係を解明していきたいと考えている。
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