研究分担者 |
竹蓋 弥 東京医科歯科大学, 歯学部 保存2, 助手 (00179665)
渡辺 久 東京医科歯科大学, 歯学部 保存2, 講師 (40143606)
萩原 さつき 東京医科歯科大学, 歯学部 保存2, 講師 (70134715)
浦口 良治 東京医科歯科大学, 歯学部 保存2, 講師 (90111608)
|
研究概要 |
最近の嫌気性菌の検索技術の進歩により、歯周疾患の発症と進行に関連する細菌が存在することが明らかになりつつある。歯周疾患は臨床上いくつかのタイプに分類されるが、各病型に特異的な細菌の存在も示唆されている。そこで、重度歯周疾患における歯周病関連細菌に対する免疫応答が病態との関連から重要視されつつある。今回重度歯周炎患者56名と健常者28名について、7種の歯周病関連菌に対する血清IgG抗体価をELISA法により測定した。患者群は年齢と骨破壊程度により若年性歯周炎(JP)高度進行性歯周炎(ADP)、成人性歯周炎(AP)に分類した。供試した細菌はBacteroides gingivalis B.loescheii,Fusobacteriam nucleatum,Actinobacillus actinomycetemcomitans,Eikenella corrodens, B.intermediusそしてCapnocytophaga ochraeaである。抗体価の評価は健常群の抗体価を基準にそれの【plus-minus】2SD以上のものについて抗体価の高低を決定した。その結果、76.8%の患者にいずれかの菌種に対し高い抗体価が認められ、その多くはB.gingiralis,Ecovradenens,F.nucleatum,A.actinomycetemcomitassのうちの1種あるいは数種に対して抗体産生が抗進していた。抗体価が高い症例において、B.gingioalisが関連していたものは60.7%に観察された。しかし、B.gingiralisが単独に高いものは比較的少数(21.4%)であった。A.actinomycetemcomitansに対し高い抗体価を示した症例は12.5%であるが、この群は最も高度の骨破壊を伴っていた。一方、9症例(16.1%)に健常者の抗体価を下まわるものが認められた。そのうち3例はJPに属し、多形核白血球の走化能の低下が観察された。これらの症例には何らかの免疫機能の低下が考えられた。さらに、重度歯周炎患者10例のstap/aureusに対する好中球殺菌能を検討した研究からも10例中3例に殺菌能の低下が観察された。2つの研究から、重度歯周炎へ進行する過程で免疫応答の多様性が示された。今後病原性菌と生体応答の両面から病因を明らかにする必要が認められeの
|