研究課題/領域番号 |
63480429
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
長尾 正憲 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (60014213)
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研究分担者 |
守澤 正幸 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40191019)
小林 賢一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (00170316)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 全部床義歯 / 咬合力 / テレメ-タリング / 義歯の咬合 |
研究概要 |
開発した6チャンネル咬合力計測システムは、送信部・受信部・コンピュ-タ部により構成されている。本システムはサンブリング周波数666Hz、送信可能時間100分、荷重量10kgまでの誤差±4%である。 被験者に上下顎無歯顎者3名を用い、通法に従い上下顎全部床義歯を制作し、3ヶ月使用させた後、下顎義歯の左右第2小臼歯・第1大臼歯・第2大臼歯の6個所に咬合力センサを埋め込んだ。この実験義歯を用いて、カマボコ、タクアン、ピ-ナツを試験食品とし、実験を行なった。 分析項目は以下に示す。I.咀嚼全体について、非咀嚼側人工臼歯別の(1)咬合力のピ-ク値の一咀嚼ストロ-クあたりの値および(2)力積。II.一連の咀嚼を時間的に5等分し、各ステ-ジにおける一咀嚼ストロ-クあたりの(1)咬合力のピ-ク値および(2)力積。 咬合力は、咀嚼側では第一大臼歯が、非咀嚼側では第2大臼歯が最大の値を示した。咀嚼時の咬合力は、咀嚼側では咀嚼の開始から大きい値を示し、終了に向かって減少していったが、非咀嚼側では逆に増加傾向を示した。これは咀嚼側咬合両間に介在している食塊の厚径が咀嚼の進行に伴い減少し、咀嚼側に遍在していた荷重が非咀嚼側に移動していることを示している。またこの非咀嚼側咬合力の増加傾向は第2小臼歯においても最も顕著であった。これは非咀嚼側に加わる咬合力を考える上で、特に第二小臼歯が鍵となることを示唆するものである。 非咀嚼側における人工臼歯の動態は次のように考えられる。非咀嚼側の咬合接触は第2大臼歯から始まり、咀嚼が進行し下顎義歯が完全に上顎義歯に噛み込む時点では、下顎第2小臼歯が衝撃的に上顎人工臼歯と接触し、上下顎義歯の相対的な動きを止めていると考えられる。
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