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1990 年度 実績報告書

ヒト扁平上皮癌の骨浸潤モデル、及び腫瘍増殖と骨吸収へのTGFーβの関与について

研究課題

研究課題/領域番号 63480439
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

塩田 重利  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70041267)

研究分担者 大井田 新一郎  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
百瀬 文雄  東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60157849)
キーワード骨吸収 / TGFーβ / aFGF / 受容体(レセプタ-)
研究概要

我々は、既に、TGFーβが単層培養下のHSCー4細胞の増殖を著しく抑制するが、HSCー2,3細胞に対しては、ほとんど影響を及ぼさないことを報告している。今回得られた結果によると、aFGFが単層培養下のHSCー2,3細胞の増殖を有意に促進するが、HSCー4細胞に対しては、ほとんど影響を及ぼさないことがわかった。これらの事実と、各HSC細胞の骨吸収様式とを合わせて考えると、TGFーβで増殖抑制御を受け、aFGFでは増殖に影響を受けないHSCー4細胞はヌ-ドマウス頭蓋骨の吸収を起こさなかったが、TGFーβでは増殖に影響を受けず、aFGFで増殖促進効果を受けるHSCー2,3細胞はヌ-ドマウス頭蓋骨を吸収したということが明らかとなった。
TGFーβの受容体については、その数、親和性においては各細胞間で差がみられなかったが、その種類についてはHSCー4細胞ではタイプIが多く、HSCー2,3細胞ではタイプIが少ないことがわかった。このことは、TGFーβの増殖に関する効果が、受容体の種類の違いにより異なることを示唆している。つまり、細胞増殖に関するTGFはーβのシグナルはタイプIレセプタ-を介していると考えられた。この点については、OhtaらもTGFーβの造血性幹細胞に対する増殖抑制効果がタイプIレセプタ-を介していると報告しており、我々の結果とも一致している。
以上の点からみて、ヒト扁平上皮癌における骨浸潤能は、その細胞のTGFーβの増殖抑制効果と関連があり、またその効果はタイプIレセプタ-を介している可能性が高いことが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 一條 秀憲: "TGFーβ" MEDICO. 21. 17-19 (1990)

  • [文献書誌] Hidenori Ichijo: "Biological effects and binding properties of transforming growth factorーβ on human oral squamous cell carcinoma cells." Experimental Cell Research. 187. 263-269 (1990)

  • [文献書誌] Fumio Momose: "Variant sublines with different metastatic potentials Selected in nude mice from human oralspuamous cell cartinomas." Journal of Oral Pathology and Medicine. 18. 391-395 (1990)

  • [文献書誌] 一條 秀憲: "TGFーβの作用ー癌" MEDICAL Immunology. 20. 281-286 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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