研究概要 |
今年度は、IFN,ILー1,TNFのうちもっとも好〓球活性化が強く認められたIFNーrについてその機序と検討するとともに、主としてTNFを中心にTGFーβと各種サイトカインとの併用による白血病細胞(Uー937およびMLー1)の分化誘導に対する効果を検討し、次のような結果を得た。 1、INFーγの好〓球活性化の機序についてO^-_2をマ-カ-とし、TMBー8,Mー7などのカルシウムイオンおよびCチナ-ゼ阻善剤を用いて検討するとともに、Quin2による細胞内Ca^<++>の濃度変化を測定した。その結果、IFNーγの好〓球O^-_2産生増強にはCa^<++>が重要な働きをしていることが判明した。 2、INFーγ,ILー1,TNF,GーcsFの白血球分化誘導能をNBT還元能をマ-カ-として検討したところ、それぞれのサイトカインに分化誘導能があることが判明した。また、IFNーγ,TNFとTGFーβを併用すると相乗的に今化誘導能の促進がみとめられた。 3、TNFとTGFβはそれぞれ単独で白血病細胞の増殖を抑制した。さらに、TNFとTGFーβを併用すると白血病細胞の増殖はほぼ完全に抑制された。 4、TNF,TGFーβは、NBT還元能以外の他の分化マ-カ-(非特異的エステラ-ゼ、形能変化など)を誘導し、両者の併用により相乗的な促進が認められた。 5、Uー937,MLー1細胞のTNFレセプタ-は、TGFーβによって増加しなかった。また、その親和性にも変化はみられなかった。
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