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1988 年度 実績報告書

進行性筋萎縮症に随伴する異常咬合発生機序とその治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63480455
研究機関九州大学

研究代表者

清水 賢二  九州大学, 歯学部, 助教授 (80014083)

研究分担者 名方 俊介  九州大学, 歯学部, 助手 (30037543)
玉利 和彦  九州大学, 歯学部付属病院, 助手 (60037538)
中島 昭彦  九州大学, 歯学部付属病院, 講師 (00037524)
キーワード進行性筋萎縮症 / 咀嚼筋筋電図 / 開咬 / パワースペクトラム / リサージュ
研究概要

咀嚼筋機能と咬合系形態の異常との関連を追究する目的で国立療養所西別府病院に入院中の進行性筋萎縮症患者30名について次の検査を行い、検討を加えた。口腔および顔面写真ならびに頭部X線規格写真の撮影と咬合模型の作製などの形態検査、咬合圧、舌圧の試測と咀嚼筋筋電図による機能検査。
本研究は昭和52年より継年的に行っているものであり本年度補助金を得て遂行した研究結果の概要は次のようである。
進行性筋萎縮症患者に最も特異的に認められる異常咬合は開咬であり、開咬の度合いを基準にすると、殆ど変化が認められないグループと増悪傾向が認められるグループとに別けることができた。開咬の増悪には歯牙系と骨格系の両者のパターンが関与していた。以上の形態分析結果を踏まえて咀嚼筋や舌の圧などの機能を分析した。舌圧に関しては年次変化に一定傾向が認められず更に研究を継続し検討する必要があると考えられた。咬合圧の測定は開咬が著しく進行すると計測が不可能であった。咀嚼筋筋電図では次のような分析結果が得られた。咀嚼筋においても身体の他の筋と同様に筋力の低下が認められている。こういった筋ジストロフィー患者の咀嚼筋の均衡の変化を検討する目的で開口筋と閉口筋からの筋電図からそれぞれのパワースペクルを求め両者のリサージュ図表を作ってその傾斜を求め年次変化を調べた。咬筋と顎二腹筋についてそれぞれ10秒間、最大閉口と開口を行わせ資料とした。その結果、開咬増悪群では傾斜に明らかな変化が認められる時期が存在した。この傾斜急変の時期は血清クレアチンキナーゼ活性値の急減する時期と一致した。このことは身体の一般的障害度の進行に一致して咀嚼筋の不均衡が著しくなることを示すものであり、今後、不正咬合の程度の変化との関連を追究することにより不正咬合の成立機序を解明して行きたい。

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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