研究課題/領域番号 |
63480464
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 公道 京都大学, 薬学部, 教授 (80025709)
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研究分担者 |
植田 弘師 京都大学, 薬学部, 助手 (00145674)
倉石 泰 京都大学, 薬学部, 助教授 (80111970)
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キーワード | オピオイドレセプター / モノクローナル抗体 / GTP結合蛋白質 |
研究概要 |
1.オピオイドレセプターのサブタイプうち、モルヒネを始め強力な鎮痛薬のレセプターであるμタイプをラット脳からた単離・精製した。 (1)ラット脳膜標品を0.32M庶糖および数種のプロテアーゼ阻害薬存在下に4^0Cで10分間超音波処理後、1%ジギトニンを用いて膜蛋白質を可溶化した。 (2)可溶化した蛋白質を6ーサクシニルモルヒネを結合させた担体(AFーアミノTOYOPEARLー650M)を用いてアフィニティークロマトグラフィーを行い、モルヒネで溶出される2種の蛋白質を得た。このうち、両側架橋試薬によって親和性架橋された58Kダルトンの方がレセプター蛋白質と判断された。さらにこれを等電点クロマトグラフィーにかけると、トリチウム標識されたナムロキソンの結合は、等電点5.6で58Kダルトンの蛋白質を含む画分にのみ認められたので、レセプター蛋白先であることが確認された。このレセプター蛋白質はナロキソンやディプレノルフィンなどの拮抗薬とは強く結合したが、選択的μアゴニストDAGOとは弱い結合しか示さなかった。これは精製過程で膜のGTP結合蛋白質がかなり解離したためではないかと考えられた。 精製オピオイドμレセプターと精製GTP結合蛋白質(GiまたはGo)とをリポソームに再構成して、前者が機能を持つレセプター蛋白質であることを確認した。 (1)DAGOとの結合の親和性は、Giとの再構成の場合は215倍に、Goとの再構成の場合は41倍に増大した。しかし、δあるいはκレセプターの選択的アゴニストは結合しなかった。 (2)DAGOにより、GTP結合蛋白質上で起こる生理的反応であるGDPーGTP交換反応が亢進した。 以上、生物活性を保持したオピオイドμレセプター蛋白質を精製した。
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