研究課題/領域番号 |
63480464
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 公道 京都大学, 薬学部, 教授 (80025709)
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研究分担者 |
植田 弘師 京都大学, 薬学部, 助手 (00145674)
倉石 泰 京都大学, 薬学部, 助教授 (80111970)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | オピオイドレセプタ- / モノクロ-ナル抗体 / NG108-15細胞 / 情報伝達機構 |
研究概要 |
薬理学的研究から、オピオイドレセプタ-はμ-、δ-、κ-サブタイプに分類され、それぞれが異なったin vivoあるいはin vitroの薬理活性と連関していることが報告されている。しかし、この様な薬理作用の基礎にある個々のレセプタ-サブタイプの性状についてはほとんど明らかにされていない。そこで本研究は各種サブタイプのオピオイドレセプタ-の一次構造の解析およびその蛋白分子レベルでの情報伝達機構の解明を目的として行われた。 昭和63年度は、オピオイドレセプタ-のサブタイプうち、モルヒネを始め強力な鎮痛薬のレセプタ-であるμタイプをラット脳からた単離・精製した。即ち、ラット脳膜標品を1%ジギトニンを用いて膜蛋白質を可溶化し、6-サクシニルモルヒネを結合させた担体を用いてアフィニティ-クロマトグラフィ-を行い、モルヒネで溶出される2種の蛋白質を得た。このうち、両側架橋試薬による親和性架橋及び等電点クロマトグラフィ-により、等電点5.6で58Kダルトンの蛋白質がレセプタ-蛋白質であることが確認された。この精製μーオピオイドレセプタ-と精製GTP結合蛋白質(GiまたはGo)とをリポソ-ムに再構成した標本を用いて細胞内情報伝達機構の一部を明らかにした。 平成元年度は、μ-レセプタ-をはじめ諸種オピオイドレセプタ-サブタイプに対するモノクロ-ナル抗体の作成を試みた結果、δ-レセプタ-のモノクロ-ナル抗体作成に成功した。即ち、δ-レセプタ-を高濃度含むNG108-15細胞膜をそのまま免疫したものをミエロ-マ細胞と融合したハイブリド-マのうち、2つの異なる性質の抗体活性を示すクロ-ンが得られた。その1つδーOpRー1はδーレセプタ-に競合的拮抗作用を有する抗体であった。他の1つδ-OpR-3はδ-レセプタ-に特異的であるがアゴニスト結合部位から少し離れた部位を認識した。これらのモノクロ-ナル抗体は今後のδ-レセプタ-の精製及び発現クロ-ニングの研究に役立つものと期待される。
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