研究課題/領域番号 |
63480466
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 百合子 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20084410)
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研究分担者 |
櫨本 紀夫 東京理科大学, 薬学部, 助手 (40192273)
海保 房夫 東京理科大学, 薬学部, 助手 (10120180)
芳賀 信 東京理科大学, 薬学部, 講師 (70110666)
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キーワード | イオントホレシス / 経皮治療システム / 定電流パルス / ヌードマウス摘出皮膚膜 / インピーダンス変化 / 組織学的変化 |
研究概要 |
1.ddy系雄性マウス摘出皮膚膜を用いて、ドナー側にモデル薬物サリチル酸ナトリウムとカソード極、アクセプター側にpH7.4のリン酸緩衝液とアノード極をセットした拡散セルに電気刺激装置から定常電流を印加して透過実験を行ない、アクセプター側のサリチル酸濃度をHPLCにより測定した(計画1)。この結果イオントホレシス(IP)により薬物透過量が受動拡散時に比べて約1.5倍増加した。またドナー側のpHが高い程受動拡散による透過は少なく、一方IP時の透過量は増加した。 2.実験計画(2)、(3)を遂行する前にIPにより皮膚が受ける影響を調べておく必要があると考え、種々のIP条件におけるヌードマウス皮膚膜の変化をインピーダンス(Z)の測定と組織切片の顕微鏡学的観測から検討した。(1)定電流パルスIPの方が定電流IPの場合よりもZの減少が少なく、皮膚に与える損傷が小さかった。最適電流密度は0.1/0.2mA/cm^2の間にあると考えられる。(2)アノーディックIPの場合の方がカソーディックIPの場合よりもZの減少程度が小さく、皮膚への影響が小さかった。カソーディックIPの場合、IP停止後Zの回復現象がみられたがアノーディックIPの場合にはみられなかった。(3)IPの電流密度が0.1mA/cm^2以上になると角質層が崩れ、破片が毛穴に集中する傾向がみられ、真皮の核を中心とした脂質顆粒の状態が著しく変化した。また0.2mA/cm^2のカソーディックIPの場合に、真皮と皮下組織境界での剥離が認められた。 3.63年度計画(2)、(3)については遂行することが出来なかった。プロトタイプシステムの開発とin vivoの実験については、本年度得られた知見をもとに次年度にポリペプチドモデル薬物とあわせて更に研究・発展させる予定である。
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