老化動物における異常酵素の産生と蓄積機構の生化学的研究

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63480467
• 研究機関: 東邦大学
• 研究代表者: 後藤 佐多良 東邦大学, 薬学部, 教授 (10012650)
• 研究分担者: 本島 清人 東邦大学, 薬学部, 講師 (70166338) ; 高橋 良哉 東邦大学, 薬学部, 助手 (40197190)
• キーワード: 老化 / 異常酵素 / 蛋白質分解

研究概要

(1) 昨年度に単離肝実質細胞をもちいて蛋白質分解速度が加齢で低下することを明らかにした。今年度は同様の系を用いて、食餌制限下に飼育した23か月齢(初老期)のマウスの肝細胞では蛋白質分解半減期が短縮し、若齢動物のレベルにまで回復していることが明らかになった。このことは、食餌制限によって異常酵素が減少するという事実とよく符合する。食餌制限の抗老化作用メカニズムの少なくとも一つは蛋白質代謝の“若返り"にあることが示唆された。
(2) 細胞を41〜44℃に晒して2時間後の熱ショック蛋白質の誘導合成能を老若マウス由来の肝実質細胞で比較した。hsP70の誘導能には老若細胞の間でほとんど違いが見られなかった。今後、誘導の経時変化を調べるなどの実験を行う計画がある。
(3)抗ユビキチン抗体を作成し、イムノブロット法で老若マウス組織の遊離型および結合型のユビキチンの量変化を調べた。肝臓、腎臓では変化は見られなかったが、脳では遊離ユビキチンが約40%減少し、高分子量の結合型ユビキチンが増加していることが明らかになった。このことは、脳において蛋白質分解能が低下し異常蛋白質が蓄積しやすくなっていることを示唆している。

研究成果

• [文献書誌] K.Motojima,S.Goto: "Cloming of rabbit wicese cDNA reveals a conservative carboxy terminal tropeptide in these spcecne" Biochem.Biophys.A to. 1008. 116-118 (1989)
• [文献書誌] T.Hoshoshi,et al(S.Goto): "Regonal dishibntion of motabotropic glutamete veponrs in the rat lren wing ret brain using xenopus on cytel" Neuros sence letters. 105. 340-343 (1989)
• [文献書誌] K.Motojima,S.Goto: "Brasーmpecfie expuson of trestbyretin mRNA as sevealed by CDNA cloukcy from freie" FEBS Letters. 258. 103-105 (1989)
• [文献書誌] R.Takahashi,S.Goto: "Alteatron of cmuoamgl teaA mywhetase with age:heatーlabolyetion of he engpne" Asoch.Biochem.Biophys. 277. (1990)
• [文献書誌] A.Ishigame,S.Goto: "Age related cheye in the degredation rate of ovalbumin moroyeted into mase" Arel.Biochem Biophys. 277. (1990)