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1990 年度 実績報告書

ヒト・アルビニズム発症機構の分子遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 63480471
研究機関東北大学

研究代表者

菊池 英明  東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (60006111)

研究分担者 山本 博章  東北大学, 理学部, 助手 (40174809)
竹内 拓司  東北大学, 理学部, 教授 (60006426)
石黒 誠一  東北大学, 医学部, 講師 (20111271)
キーワードアルビニズム / チロシナ-ゼ
研究概要

チロシナ-ゼ遺伝子の、組織特異的発現に関与している調節領域を同定するため、チロシナ-ゼ遺伝子の5'上流域を、クロラムフェニコ-ル・アセチルトランスフェラ-ゼ(CAT)遺伝子とつないだキメラ遺伝子を作製した。これを用いて部分欠失遺伝子を作製し、メラニン色素の生成が色素細胞刺激ホルモン(MSH)で誘導できるマウスM3メラノ-マ細胞に導入して発現させた。転写開始部位より5'上流ー800bp付近にある(GA)nクラスタ-は、転写に関して阻害的に作用しているようであり、この部分約200bpを削ると、CATアッセイによる転写活性が上昇した。また、-400bpまでを含んだ融合遺伝子が、最も高い転写活性を示し、-350bpまで削りこんだものでは、低い活性を示した。このことより、-400bpから-350bp付近の配列の中に、転写を高めるように作用する領域が存在することを示唆する結果をえた。
マウス・チロシナ-ゼcDNA遺伝子と、ヒト・チロシナ-ゼ遺伝子5'上流1kbをつないだミニ遺伝子を構築し、マウス受精卵に導入してトランスジェニク・マウスを作製した。色素産生を示す毛色の二匹の仔マウスが産れ、毛色の発現パタ-ンは、そのマウスの遺伝的背景を示す、アグチ・パタ-ンを示した。組織化学的分析では、メラニン色素は、毛球あるいは眼の色素細胞に限定されていた。このことは、ミニ遺伝子につないだヒト遺伝子5'上流1kbが、組織特異的発現に関与する配列を含んでおり、種をこえてマウスにおいても作用することを示している。
上記の、試験官内におけるCATアッセイの結果と、動物個体用いたトランスジェニック・マウスの結果は一致しており、1kbの範囲に調節発現配列が存在することを示している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Kikuchi,et al.: "Detection of point mutation in the tyrosinase gene of a Japanese albino patient by a direct sequencing of amplified DNA." Human Genetics. 85. 123-124 (1990)

  • [文献書誌] H.Kikuchi,et al.: "Repetitive sequences in the rat genome that have cleavage sites for the restriction endonuclease Taq I." Tohoku J.Exp.Med.161. 91-99 (1990)

  • [文献書誌] Y.K.Durlu,et al.: "Response of Muller cells following experimental lensectomyーvitrectomy." Graefe's Arch.Clin.Exp.Ophthalmol.228. 44-48 (1990)

  • [文献書誌] T.Abe,et al.: "Partially deficient glutamate dehydrogenase activity and attenuated oscillatory potentials in patients with spinocerebellar degeneration." Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.

  • [文献書誌] S.Tanaka,et al.: "Melanization in albino mice transformed by introducing cloned mouse tyrosinase gene." Development. 108. 223-227 (1990)

  • [文献書誌] M.Tanaka & T.Takeuchi: "Hair pigmentation in transgenic mouse." Annal.New York Acad.Sci.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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