研究課題/領域番号 |
63480476
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩田 平太郎 大阪大学, 薬学部, 教授 (30028823)
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研究分担者 |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学部, 助手 (00107103)
馬場 明道 大阪大学, 薬学部, 助教授 (70107100)
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キーワード | クロライド / 興奮性アミノ酸 / アストログリア / cvclic AMP / swelling |
研究概要 |
1.Cl^-依存性cyclic AMP産生について:ラット大脳初代培養アストログリアのβ受容対刺激によるcAMP産生が外液のCl^-の除去で減弱する事をみとめ、さらにCl^-の作用点ははβ受容対ーアデニレ-トシクラ-ゼ系においてその触媒ユニットであることを示唆した。これらのことは、アストログリアcAMP産生系においてCl^-が重要な調節因子である可能性を示す。また、β受容対刺激によるアストログリアの形態変化においても、外液Cl^-依存性を認めアストログリアの分化におけるCl^-の生理的役割が明かとなった。 2.Cl^-依存グルタミン酸(Glu)輸送:前年度までの脳神経膜小胞を用いた検討を引き続き行い、この輸送がCl^-およびNa^+の化学的濃度勾配で生じるものでないこと、小胞内のGlu量が輸送活性に影響することなどより、これが交換輸送系であることを示した。そして、この成果を刊行化した。また、この輸送系の意義を明らかにする目的で、in vitroで脳切片に対する無酸素、無グルコ-ス処置がこの輸送体数を増加させることを明かとし、脳虚血においてこの活性が変化することを示唆した。 3.Gluによる培養グリア細胞のswelling:Gluによる培養アストログリアのswellingが外液のCa^<2+>およびCl^-に依存することを認めそれを刊行化した。また、Ca^<2+>およびCl^-輸送阻害薬がGluによるswellingを阻害することを明らかにした。更に、この培養アストログリアのswellingが脳の病態時に生じるin vivoでのswellingと類似の細胞構造の変化を伴うことを認め、Glu受容体の過剰な活性化によるCl^-流入の病理学的意義を示した。
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