研究課題/領域番号 |
63480480
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
吉原 なみ子 国立予防衛生研究所, エイズ研究センター, 室長 (80010255)
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研究分担者 |
長谷川 斐子 国立予防衛生研究所, ウイルス中央検査部, 主任研究員 (10132896)
赤塚 俊隆 国立予防衛生研究所, 腸内ウイルス部, 主任研究員 (30159321)
東海林 寿子 国立予防衛生研究所, 血液製剤部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | HAM / HYSー1 / HYSー2 / HTLVー1 / HIV / C型ウイルス粒子 / Mycoplasma / モノクロ-ナル抗体 |
研究概要 |
目的:HAM患者より樹立した細胞株のうちCD8腸性株(HYSー1)およびCD4腸性株(HYSー2)について、電子顕微鏡によるウイルス粒子の検索およびMycoplasmaのコンタミチェックを行い、さらにこれら2株についてモノクロ-ナル抗体の作成を試みた。また、前回HIV感染が成立し、HTLVー1およびHIV重感染細胞株となったHYSー1、HYSー2についてウイルス抗原および細胞表面抗原の検索を引き続き行なった。 結果と考察:HYSー1、HYSー2では、両株の細胞外にC型ウイルス粒子が認められたが、ウイルスの出芽像は見られなかった。これら2株についてMycoplasma incogntosおよびM.pneumoniaのコンタミチェックをDNAPCR法により行なった結果、これら2種はコンタミしていないことがわかった。HYSー1、HYSー2を用いモノクロ-ナル抗体の作成を試みた結果、数クロ-ンのモノクロ-ナル抗体を作成したが、HTLVー1抗原特異的ではなく全て宿主細胞由来であった。HTLVー1は、Cell to cellによりウイルス感染が成立するため、宿主細胞の影響を受け易く細胞全体を抗原とした場合HTLVー1に対するモノクロ-ナル抗体を作成する事は困難であると考えられた。今後ウイルス抗原の精製を行いEBウイルストランスフォ-メ-ション法によるヒト型モノクロ-ナル抗体の作成を試み、既に作成したATL由来細胞(MTー2)のモノクロ-ナル抗体と比較することを検討している。HIVおよびHTLVー1が重複感染したHYSー1、HYSー2は、細胞表面マ-カ-に特に変化は認められなかった。HIV抗原は、細胞内および培養上清に検出され、細胞増殖の時期によりHIV抗原が推移することがわかった。HTLVー1抗原は常に両細胞内に認められた。細胞内のこれら2種のウイルスについてさらに解析したいと考えている。
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