研究課題/領域番号 |
63480484
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
山内 忠平 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00041377)
|
研究分担者 |
野添 新一 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10117533)
昇 卓夫 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40094164)
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70117472)
上田 智之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (80160175)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 実験動物 / 動物室 / 気流 / 空中粉塵 / アンモニア / 空中細菌 / アレルギ- / アレルギン |
研究概要 |
われわれは先にわが国における実験動物アレルギ-の発生状況を調査し、実験動物関係者の23%がアレルギ-症状に悩まされていることを明らかにした。その対策の一つとして動物室の一方向気流方式の空調システムを開発した。本研究では従来の乱流方式から一方向気流方式に改造した動物実験施設でこの空調システムの実際的な評価を行った。 改造した各種動物室の気流は作業空間から後方の排気側に一方向に流れていることが確認され、ラック内は排気チャンバ-内よりも平均0.5mmAqの陽圧であった。平均風速はラック前板開口部で0.16m/s、後板開口部で2.2m/sであった。平均換気回数は部屋全体では10.5回/時、ラックまたはケ-ジ内で92.7回/時で、よく換気されていた。作業空間の温度・湿度は各部屋によって差はあったが、20〜26℃、51〜69%の範囲内にあり、ケ-ジやラック内は僅かに高かった。改造後の動物室の空中細菌は各室平均で改造前の2.5%に、粉塵個数は0.5μmで48.7%、2μmで10.5%、5μmで7.9%に減少した。改造後の動物室の作業空間ではアンモニアはほとんど検出されなかった。また、マウスの血清学的モニタリングの結果、1年間にわたって感染病の発生はないことが確認された。なお、作業空間での空中粉塵蛋白は検出できなかった。 動物施設利用者の大部分は悪臭を感知しなく、作業性もとくに煩雑ではないと答え、実験動物アレルギ-の既往歴をもったヒトの83%は、症状の発現は減弱したと回答した。これらの結果から、改造された動物室の環境は動物にも、ヒトにも著しく改善されたものと考えられる。 野添らは、実験動物アレルギ-の有症者と非有症者との間に、末梢血好酸球の百分率に有意差がなく、IgE(RIST)およびIgE(RAST)は高かったことを認めた。また花田はモルモットによる気道アレルギ-の臨床的・免疫学的研究をまとめた。
|