研究課題/領域番号 |
63480485
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
加藤 秀樹 実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 室長 (30142053)
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研究分担者 |
山田 淳三 京都大学医学部, 附属動物実験施設, 教授 (90025651)
宇津 佐知子 実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 研究員 (10142051)
若菜 茂晴 実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 研究員 (90192434)
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キーワード | 遺伝的モニタリング / マウス / ラット / クロ-ズドコロニ- / 標識遺伝子 |
研究概要 |
本研究は、クロ-ズドコロニ-系統における種々の標識遺伝子の多型性を調べ、クロ-ズドコロニ-の遺伝的モニタリング法を確立することにあり、本年度は以下の研究成果を得た。 1.ラットの標識遺伝子の検査法の確立:ラットの新しい標識遺伝子として次の7遺伝子座、Akpー1,Alpー1、Esー6、Esー7、Esー8、Esー9およびEsー10を腎蔵、および睾丸を試料として用い、等電点電気泳動およびポリアクリルアミドゲル電気泳動によって検査できるようにその方法を確立した。この結果、従来からの検査項目、Amyー1、Esー1、Esー2、Esー3、Esー4、Esー14、Gc、Hbb、Mupー1、RT1、RT2およびSvpー1と合わせて19遺伝子の検査法を確立することができるようになった。 2.ミトコンドリアDNA多型検査法の確立:マウスのミトコンドリアDNA多型を検出する方法としてマウスのミトコンドリアDNAを非アイソト-プで標識してプロ-ブに用いるサザンブロット法を確立した。 3.マウス・ラットクロ-ズドコロニ-系統の標識遺伝子の調査:WistarおよびSD系統の標識遺伝子を調べ、コロニ-間で遺伝子の種類と頻度を比較した。Wistar系統を3業者から導入して調べた結果、コロニ-の由来が異なることによりRT1やMupー1のような遺伝子座で遺伝子の種類や頻度に顕著な違いが見られた。マウスクロ-ズドコロニ-集団について母性遺伝することが判っているミトコンドリアDNAの検査を行ったところ、domesticusタイプがICR、ddYおよびCF1系統で共通してみられた。一方、ddYではmolossinusタイプが、また、CF1ではbrevirostrisタイプが特徴的に見られた。以上の結果は、系統間を区別し、さらにはそれぞれの由来を明らかにするために極めて有用である。
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