研究課題/領域番号 |
63480487
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
江澤 郁子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (10060641)
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研究分担者 |
高木 稚佳子 日本女子大学, 家政学部, 助手
川名 光子 日本女子大学, 家政学部, 助教授
中浜 信子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (90060590)
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キーワード | 骨粗鬆症モデルラット / 卵巣摘出 / 食物カルシウム源 / 骨破断強度 / 骨軟X線像 / 骨形態計測 / 魚骨粉料理 |
研究概要 |
1本研究は、卵巣摘出・低カルシウム食による実験的閉経後骨粗鬆症モデルタットを用い、カルシウム吸収および骨代謝に対するミルクおよび魚骨粉の効果を検討した。その結果、 (1)カルシウム吸収率は、対照群の炭酸カルシウム食群に比べ、ミルク食群が初期のカルシウム欠乏状態においていちぢるしく、試験期間の最終期には、逆に低下した。一方、魚骨粉食群においては、初期には対照の炭酸カルシウム食群と同程度であったが、最終期には、逆によい傾向を示した。つまり、ミルクカルシウムは早い時期に必要なカルシウムを利用するのに対し、魚骨粉のカルシウム吸収は、ミルクカルシウムよりやや劣るが、長期にわたり吸収に持続性があることが認められた。 (2)骨の軟X線像および骨形態計測では、カルシウム源の間に差はみられなかった。しかし、骨破断エネルギーにおいて、炭酸カルシウム食群に比べ、ミルク食群が有意な増強効果を示した。このことから、ミルクカルシウムでは、体内で吸収・蓄積されたカルシウムが、速やかに骨強度に効果を及ぼすことが明らかである。一方、魚骨粉カルシウムでは、長期的な摂取により、骨強度への効果が期待された。今後、さらに飼育期間を延長し検討する予定である。 2ミルクはカルシウム供給源として、代表的な食品であるが、高齢者は長い間の食習慣、あるいはミルク嫌い、乳糖不耐症などの問題から、摂取量が極めて少ない。そこで、魚骨粉の調理上の検討を、味覚テストおよび物性測定と併せて行った。その結果、魚骨粉を加えた料理(クッキー、シューマイ、スープなど)は、むしろ魚骨粉を加えない料理に比べ、こくがあり、旨味を感じることが示された。今後、さらに食生活への応用を検討する予定である。
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