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1988 年度 実績報告書

ガングリオシドの生物学的機能発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 63480493
研究機関静岡県立大学

研究代表者

鈴木 康夫  静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (00046278)

研究分担者 平林 義雄  静岡県立大学, 薬学部, 助手 (90106435)
キーワードガングリオシド / 糖脂質 / 細胞膜 / 発癌 / 分化 / 発生 / 遺伝子 / シアル酸
研究概要

本研究は、ガングリオシドの新しい生物学的機能を新しい視点から明らかにすることを目的としている。本年度の実績は下記の通りである。
1.大量のウシ脳ガングリオシドを速やかに且つ高分解能に分画、分取する新しい方法を開発した。これにより極微量成分であるGM_<10>ガングリオシドの単離に成功した。本法は陰イオン交換樹脂(Qセファロース)を用いるが、FPLCシステムを導入することにより、効果的分画が可能となった。
2.インフルエンザウイルスの赤血球凝集素、ノイラミニダーゼの遺伝子変異にともなうガングリオシドの認識の変化を調べた。遺伝子の点変異はシアル酸の結合様式(α2-3、α2-6)の相違に現われること、Ser(205)はシアル酸の結合様式の認識に重要であることを見いだした。
3.ras発癌遺伝子(K-ras,H-ras)導入細胞において、ガングリオテトラオース系ガングリオシド、GD_3ガングリオシドの特異的減少を見いだした。この変化は細胞の種類でなく遺伝子特異的であった。
4.ガングリオシドに対するいくつかの単クローン抗体を作製し、エピトープを決定した、マウス脳神経細胞に対する単クローン抗体のいくつかはCシリーズガングリオシドを認識すること、これらのガングリオシドは脳の発生、分化に伴ない変化することを見いだした。
5.GM_3ガングリオシド合成酵素の精製で満足すべき結果を得た。
6.脳ガングリオシドをイヌに投与(筋注)し、投与後の血中濃度を高感度免疫染色法により追跡する方法を確立した。
7.ガングリオシドのセラミド部位のN-アシル基を切断する新しい酵素を見い出した。

  • 研究成果

    (24件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (24件)

  • [文献書誌] 左一八、松本亮、池田正明、土田信夫、鈴木康夫: 脂質生化学研究. 30. 65-68 (1988)

  • [文献書誌] 西裕史、左一八、松本亮、渡来仁、保田立二、鈴木康夫: 脂質生化学研究. 30. 117-120 (1988)

  • [文献書誌] 三輪匡男、鈴木康夫、松本亮: 脂質生化学研究. 30. 139-144 (1988)

  • [文献書誌] 鈴木康夫、三輪匡男、松本亮: 病態生理. 7. 498-500 (1988)

  • [文献書誌] 鈴木康夫: 日本臨床. (1989)

  • [文献書誌] 鈴木康夫: 内藤財団時報. 43. (1989)

  • [文献書誌] Y.Suzuki,;Y.Nagao,;H.Kato,;T.Suzuki,;M.Matsumoto,;J.Murayama.: Biochim.Biophys.Acta,. 403. 417-424 (1987)

  • [文献書誌] Y.Suzuki,;Y.Hirabayashi,;N.Matsumoto,;H.Kato,;K.Hidari,;K.Tsuchiya,;M.Matsumoto,;M.Miwa.: Jpn.J.Cancer Res.(Gann). 78. 1112-1120 (1987)

  • [文献書誌] Y.Suzuki,;M.Miwa,;M..Harada,;M.Matsumoto.: Eur.J.Biochem.172. 117-120 (1988)

  • [文献書誌] T.Suzuki,;Y.Hirabayashi,;F.Sagami,;M.Matsumoto.: Biochim.Biophys.Acta,. 962. 277-281 (1988)

  • [文献書誌] Y.Hirabayashi,;T.Nakao,;Y.Suzuki,;S.Ando.: The 3rd Rinsho-ken International Conference Abstract Book. 74-75 (1988)

  • [文献書誌] Y.Suzuki,;K.Hidari,;M.Matsumoto,;M.Ikeda,;N.Tsuchiya.: J.Biochem.(1989)

  • [文献書誌] Y.Hirabayashi,;M.Kimura,;K.Yamamoto,;S.Kadowaki,;S.Tochikura.: J.Biochem.(Tokyo). 103. 1-4 (1988)

  • [文献書誌] Y.Hirabayashi,;T.Nakao,;M.Matsumoto,;K.Obata,;S.Ando.: J.Chromatogr.445. 377-384 (1988)

  • [文献書誌] Y.Hirabayashi,;M.Hirota,;M.Matsumoto,;H.Tanaka,;M.Matsumoto.: J.Biochem.104. 973-979 (1988)

  • [文献書誌] 木村正伸、平林義雄、松本亮、山本憲二、門脇節、栃倉辰六郎: 脂質生化学研究会. 30. 81-84 (1988)

  • [文献書誌] 廣田光恵、松本亮、平林義雄、小幡邦彦、安藤進: 脂質生化学研究会. 30. 113-116 (1988)

  • [文献書誌] 土屋浩司、平林義雄、鈴木康夫、崎山比早子: 脂質生化学研究会. 30. 85-88 (1988)

  • [文献書誌] 鈴木康夫: ガングリオシド-その構造と新しい機能-生体の科学Vol32(4), ガングリオシド-その構造と新しい機能-生体の科学Vol32(4), 332-339 (1987)

  • [文献書誌] 鈴木康夫: "ウイルスレセプター レセプターの化学" 化学同人, 256-266 (1987)

  • [文献書誌] 鈴木康夫: "インフルエンザ-感染成立の分子生物学-臨床と微生物Val14(6)" 近代出版, 639-651 (1987)

  • [文献書誌] 平林義雄、鈴木康夫: "ガングリオシドの生化学-構造の多様性とその生物学的意義-化学と生物25(8)" 日本農芸化学会編/学会出版センター, 496-504 (1987)

  • [文献書誌] 鈴木康夫: "インフルエンザウイルスヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼの変異と糖鎖認識機構、蛋白質、核酸、酵素" 共立出版, 117-135 (1988)

  • [文献書誌] 平林義雄、鈴木康夫: "第9回国際複合糖質シンポジウム見聞記 蛋白質、核酸、酵素、32巻" 共立出版, 1464-1468 (1987)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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