研究課題/領域番号 |
63480496
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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研究分担者 |
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (20169436)
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
三宅 教尚 北海道大学, 薬学部, 助教授 (30133771)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 味覚 / 嗅覚 / 受容体 / 情報変換 / アミロライド / 交差順応 / ニオイ / 陽イオンチャネル |
研究概要 |
1、味覚に関しては、主としてイヌを用いて塩、甘味物質、うま味物質の受容機構の研究を行った。イヌの各種の塩に対する応答がアミロライドで抑制されることを見出した。またイヌの甘味応答が、塩の共存により増強されることを見出した。さらにイヌは、うま味物質に敏感に応答することを見出した。アミロライドをイヌ味覚器に作用させ、うま味物質に対する応答を測定したところ、MSGの応答は完全に抑制されたが、ヌクレオチドによる応答およびヌクレオチドとMSGの相乗作用により発現する応答は抑制されなかった。すなわち、前者は塩応答、後者はうま味応答と結論した。 2.嗅覚に関しては、次のような成果が得られた。カメの嗅覚器に交差順応法を適用し、カメ嗅覚器が各種の立体異性体をどの程度識別するかを定量した。この方法により、今後ニオイの活性一構造相関を明らかにする展望が開けた。また、カメ嗅上皮表面を塩を含まない溶液で潅流したところ、嗅覚応答はほとんど影響されないことがわかった。このことは、嗅線毛に存在するcAMPで活性化される陽イオンチャネルは、生理的条件下においては嗅覚応答発現に寄与しないことを示唆した。さらに、脂質2分子膜を嗅細胞のモデルとして用い、ニオイ応答を測定したところ、PCにPSを20%含む脂質2分子膜は、動物の嗅覚器より鋭敏にニオイ物質に応答することがわかった。
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