研究課題/領域番号 |
63480516
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
細見 弘 香川医科大学, 医学部, 教授 (70030864)
|
研究分担者 |
西田 育弘 香川医科大学, 医学部, 助手 (90172668)
石田 俊彦 香川医科大学, 附属病院, 講師 (50159737)
森田 啓之 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145044)
田中 聡 香川医科大学, 医学部, 教授 (30033062)
松尾 寿之 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (50028685)
|
キーワード | 心房性ナトリウム利尿ペプタイド / ANP / 肝血流量 / 門脈血流量 / 腸管循環におけるANPの摂取量 / 肝におけるANPの摂取量 |
研究概要 |
体血圧(AP)並びに動脈血採血用のカテーテルを下行大動脈に、心拍出量(CO)測定用の電磁血流計用フローブを上行大動脈に、肝動脈血流量(HAF)並びに門脈血流量(PVF)測定用のトランジットタイム血流計用フロープローブをそれぞれ肝動脈と門脈に、門脈血並びに肝静脈血採血用のカテーテルを門脈と肝静脈に、心房性ナトリウム利尿ペプタイド(ANP)投与用のカテーテルを上大静脈にそれぞれ装着した犬を実験に用いた。術後1週間してから、ANP(0.3μg/kg/分)を30分間投与したところ、APは約10mmHg下降し、PVFは約4ml/分/kg、HAFは約1ml/分/kg、COは10ml/分/kg下降した。PVFとCOの比、さらにPVFとHAFを加えた総肝血流量(THF)とCOとの比をみると、いずれも有意な変化はみられなかった。すなわち、HAFとPVFの低下は、COの低下に比例しており、ANPが肝ならびに腸管の血管床に有意な影響を与えてはいない。次に、腸管の血管床でのANPの摂取量を求めるため、動脈血中ANP濃度(A_<ANP>)と門脈血中ANP濃度(P_<ANP>)、肝静脈ANP濃度(V_<ANP>)を経時的に測定した。腸管の血管床へ流入した総ANP量はA_<ANP>・PVFで、流出した総ANP量はP_<ANP>・PVFで求め、その差(A_<ANP>-P_<ANP>)・PVFを腸管の血管床でのANP摂取量とした。流入量は27.0±2.5μg/40分で、流出量は19.6±1.9μg/40分であった。腸管の血管床におけるANP摂取量は7.4±0.9μg/40分で、これは流入量の27.4±2.5%に相当した。一方、肝でのANP摂取量は、肝への流入量A_<ANP>・HAF+P_<ANP>・PVFと肝からの流出量V_<ANP>・(PVF+HAF)の差で求められる。流入量は26.6±2.5μg/40分、流出量は26.4±2.5μg/40分であり、肝血管床におけるANPの摂取量は殆んど0であった。腸管におけるANPの生理作用には興味がある。
|