研究課題/領域番号 |
63480516
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
細見 弘 香川医科大学, 医学部, 教授 (70030864)
|
研究分担者 |
西田 育弘 香川医科大学, 医学部, 助手 (90172668)
石田 俊彦 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (50159737)
森田 啓之 香川医科大学, 医学部, 講師 (80145044)
田中 聡 香川医科大学, 医学部, 教授 (30033062)
松尾 寿之 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (50028685)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
キーワード | 心房性ナトリウム利尿ペプタイド / 肺循環 / 腹部臓器によるuptake / 腹部循環 / 水とNaClの吸収 / 冠循環と心機能 / 心筋酸素消費量 / 糖代謝 |
研究概要 |
心房性ナトリウム利尿ペプタイド(ANP)についてA.肺循環、B.腹部臓器におけるuptakeの差、C.腹部循環、D.腸管における水とNaClの吸収、E.冠循環・心筋酸素消費量・心機能、F.糖代謝等に及ぼす影響を調べるのが本年度の研究目的であった。以下に研究成果の概要を示す。 A.肺循環:肺葉を分離灌流・分離換気し、肺静脈圧を上昇させると肺血管抵抗(Incremental pulmonary vascular resistance,IPVR)は増大する。ANPは、増大したIPVRをコントロ-ル値にまで低下させるが、正常なIPVRには影響を与えない。ANP投与中動脈血中酸素濃度は低下する。 B.ANPは、腸管では約25%uptakeされるが肝臓ではuptakeされない。 C.腹部循環:ANPは、肝動脈血流量と門脈血流量ならびに心拍出量を共に低下させるが、その低下率は心拍出量の低下率とほぼ等しい。したがって、ANPは腹部循環に選択的に作用するとは言えない。 D.腸管における水とNaClの吸収:ANPは、空腸での水とNaClの吸収を抑制するが、回腸では抑制しない。 E.冠循環・心筋酸素消費量・心機能:ANPは、動脈圧・左房圧・左室圧・心拍出量・冠血流量・dP/dt・心筋酸素消費量を低下させ、心拍数を上昇させる。しかし、輸液によって左房圧を一定に保つと、これらの変化は見られなくなる。したがって、これらの変化の原因はANPによる循環血流量の低下である。ANP(0.3μg/kg/30min)投与による循環血液量の減少分は約18.2mlであった。ANPは、循環血液量を減少させるが、心機能には影響を与えない。 F.糖代謝:ANP投与時のインスリン分泌と肝でのクリアランスならびに糖代謝の変化を測定するため、予め門脈血流量測定用プロ-ブと動脈血・門脈血・肝静脈血採血用カテ-テルを留置した犬を用意し、現在実験中である。
|