研究課題/領域番号 |
63490007
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山上 皓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (60107315)
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研究分担者 |
石井 利文 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00143610)
峰下 哲 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00014358)
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キーワード | 精神障害 / 犯罪 / 精神障害犯罪者 / 精神分裂病 / 殺人 / 放火 / 再犯予測 / 保安処分 |
研究概要 |
1.資料の収集と整理 昭和55年1年間にわが国で見出された963例の精神障害犯罪者についての資料を整理し、さらに、このうちの、重大犯罪をなした320例の精神分裂病犯罪者については、事件記録の閲覧によって得た、より詳細に亘る資料を整理し、これらのデータをコンピュータに入力した。 2.資料の分析 上記320例の精神分裂病犯罪者について、罪種ごとに、あるいは犯人や犯行の特色に着目して、順次データを分析し、その成果の一端を日本犯罪学会総会等において発表した。 (1)危険な犯罪を反復する事例の分析。 過去に4回以上の逮捕歴を有する36例の分析により、発病時期と犯罪歴との関係によって、"疾病先行型"の7例と、"犯罪先行型"の29例を区別し、とくに後者の再犯危険性の強さと、処遇困難性について指摘した。 (2)入院中の事例による犯行の分析。 精神病院入院中に殺人等の重大犯罪をなした20例(うち院内での犯行12例、院外8例)の分析により、院内での犯行に予測、予防の可能なものが含まれていること、一部に、周到な計画にもとづいて凶悪な犯行をくり返している者がいること、などを明らかにした。 3.予後調査 患者の人権、医師の守秘義務等の問題もあって、実施に困難が生じており、まだ、比較的少数の事例についての資料しか入手していない。 4.処遇制度と処遇施設 これまでの調査結果は、精神障害犯罪者に対する新たな処遇制度、処遇施設の必要性を示している。モデルとして、イギリスおよび西ドイツの制度と施設に注目し、資料を収集中である。
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