研究課題/領域番号 |
63490010
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
今野 浩 東京工業大学, 工学部・人文社会群, 教授 (10015969)
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研究分担者 |
田村 明久 東工大, 理学部・情報科学科, 助手 (50217189)
白川 浩 東工大, 工学部・人文社会群, 助手 (10216187)
久野 誉人 東工大, 工学部・社会工学科, 助手 (00205113)
水野 真治 文部省, 統計数理研究所, 助教授 (90174036)
小島 政和 東工大, 理学部・情報科学科, 教授 (90092551)
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キーワード | 大域的最小化 / 内点法 / 線形計画法 / 2次計画法 / ポ-トフォリオ理論 / 非凸型関数 / 歪度 / MADモデル |
研究概要 |
(1)線形計画法と2次計画法における内点法の研究(小島、水野) 主・双対内点法の収束特性に関する吟味を行ったほか、非線形相補性問題に対する内点法の研究を行なった。 (2)理財工学における最適化法の研究(今野、白川) マ-コビッツのMVモデルを改良版であるMADモデルをより一般化したMADSモデルを開発し、その特性を検討した。このモデルの新しいところは、収益率分布の3次のモ-メント(歪度)の定量的取扱いを可能にしたことである。歪度最大化問題は長らく“解けない"問題とされてきたが、我々は下半歪度とMADリスクの概念を用いることにより問題を線形計画問題として定式化し、これによって大規模問題が現実的な意味で“解ける"ことを実証した。また、多期間ポ-トフォリオ・配当最適化問題を分析する一般的枠組みの構成を行うとともに、これらを解くためのアルゴリズムの開発を行った。これによって従来よりも複雑かつ大規模な問題を解くことが可能となった。 (3)非凸型最適化問題の大域的最適解を求めるアルゴリズムの研究(今野、久野) 昨年に引き続き、数種類の非凸型最小化問題の効率的解法の開発に成功した。具体的には、ランク2およびランク3の双線形計画問題、凸乗法計画問題、2つの分数問題の積の最小化問題、p個の凸関数の積の最小化問題、非凸型のコスト関数をもつロット・サイズ問題、凸乗法制約式の下での凸関数最小化問題などに対する効率的な解法を提案した。これらの問題はポ-トフォリオ最適化、LSI設計、計算幾何学等の分野に広い応用をもつ非凸型問題であり、これらの問題が実用的に解けることは、工学上大きな意味をもつものと思われる。
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