1.結晶完全性測定のための結晶傾斜法装置の立上げ…装置の入荷が大幅に遅れたため、昨年度実施できなかった結晶傾斜法装置の立上げ整備を行い完了した。これによりX線回折積分強度を試料の有効厚さの関数として自動的に測定することが可能となった。 2.シリコン結晶の結晶完全性の測定…結晶傾斜法と他の方法で求めた結晶完全性の比較をするため、シリコン結晶を用いた実験を行った。 セクショントポグラフのペンデル縞の観察から結晶完全性の度合いを表す静的デバイワラ-因子を求めてあるas-grown及び熱処理CZシリコン結晶を用いて結晶傾斜法による測定を行った。ペンデル振動が観測され、セクショントポグラフから得られたものと類似の静的デバイワラ-因子が得られた。 3.GaAs及びInp… (1)結晶完全性評価のために下記のようなGsAs、Inp結晶を準備した。しかし測定装置の整備とシリコンによる実験が遅れたため、実験はほとんど実施できなかった。評価すべき試料は、GaAsでは無添加LEC結晶で、as-grown及びインゴットアニ-ルの二種類である。これらは無転位と有転位(10^4cm^<-2>)を含んでいる。Inpでは、Sド-プLEC結晶で無転位と有転位(10^4cm^<-2>)を含んでいる。 (2)GaAsは用いるX線(MoKα、AgKα)に対して大きな吸収係数をもつため、試料厚さは数10μmの薄片となる。このような試料を外部からの歪みの影響がない状態で保持することが困難なために、厚い縁辺をもつような薄片試料の作成を考え、そのための特殊エッチング装置を製作した。予備実験をシリコンで行い成功した。今、GaAsで実験中である。
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