研究課題
本年度における当研究グループの主な活動には、研究計画にかかわる資料の調査及び収集が含まれる。特別研究期間を利用して滞米中の大西助教授は、ハーヴァード大学・マサチューセッツ大学ライマン・コレクション、ラトガース大学グリフィス・コレクションの資料調査を行った。研究クループ外の2名の研究者、ICUで科学史寄付講座を担当する渡辺正雄教授、ICUアジア文化研究所客員研究員の太田雄三準教授(カナダのマクギル大学)からの協力も得た。我々の研究計画に関連する研究資料の、日米に於けるそれぞれの所在について報告を受けたのである。千葉準教授は京都に赴き、同志社大学の所蔵資料を調査した。スキッパー助教授は名古屋、愛知大学のチェンバレン・コレクションを、スティール準教授は神戸市立博物館の資料をそれぞれ調査した。また研究計画に係わる図書資料を購入し、ICU図書館の蔵書に加えた。(別添購入図書一覧参照)。これらは我々の研究計画にとって極めて貴重な三種の一次資料を含んでいる。更に、研究計画に関連する主題を扱ったアメリカの博士論文のコレクションについて情報が得られたことは今後の本研究計画にとり、極めて有意義なことであった。本年度には、研究課題にかかわる3つの公開講演を実施した。スティール準教授が野口米次郎について、内海隆教授(東京外国語大学)が幕末日本の外国人について、また三谷博教授(東京大学)が日米外交関係の始まりについてそれぞれ講演した。スティール準教授は、日本の庶民がペリー提督と黒船に示した反応について新たな分析を加えた南和男著「維新前夜の江戸庶民」の最初の2章を英訳し、研究の一部としてワーキング・ペーパーの形で公刊した。
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