研究課題/領域番号 |
63490019
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (00126426)
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研究分担者 |
丸井 英明 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (10219545)
福江 正治 東海大学, 海洋学部, 助教授 (40119699)
泉宮 尊司 新潟大学, 工学部, 助手 (60151429)
大川 秀雄 新潟大学, 工学部, 助教授 (50018826)
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キーワード | 海底マスム-ブメント / スト-ム砂 / 液状化 / 粒度組成 / 圧密係数 / 間隙圧係数 / 波浪条件 |
研究概要 |
地質時代のスト-ム砂について研究するとともに、海底マスム-ブメントの発生機序の一つである液状化についての研究を進めた。 新潟堆積盆の鮮新-下部更新統(魚沼層群)には海底マスム-ブメント堆積物の一種としてのスト-ム(暴浪)砂が広く分布する。これら魚沼層群に見られるスト-ム砂の産状(堆積構造と累重様式)が記載されるとともに、その粒度分布と鉱物組成について検討された。その結果、魚沼層群中のスト-ム砂は次のような特徴を持つことが明らかになってきた。すなわち、常に暴浪時波浪限界以深に堆積した砂質シルト層の上に重なる一方、大型斜交葉理をもつ粗粒砂に覆われる。また、ハンモッキ-斜交葉理をもち、淘汰の良い細粒砂からなる。 海底マスム-ブメントを生起した要因の一つである海底地盤の液状化について、その発生条件を波浪条件(波高・周期・水深)および地盤条件(圧密係数・間隙圧係数)に関係づけて算定した。その結果、液状化の発生は圧密係数よりも間隙圧係数の値に強く依存していることが明かとなッた。この結果を海底谷のある海浜に適用して液状化発生領域を推定した。日本海側の最大波高に近い条件下では圧密係数が0.10m^2/sの場合、水深約30m以浅で液状化が発生し、海底谷上端がこの付近にあれば、液状化が引き金となって海底地滑りが発生する可能性が認められた。 また、液状化についての基礎的研究として1)砂層中に粘性土などの不透水層を挟在している場合の影響、2)液状化発生の機構について実験的研究をもとに考察を行った。その結果、液状化発生のためには間隙水圧の蓄積が必ずしも必要でないことなどが明らかになりつつある。
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