研究課題/領域番号 |
63490021
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
岡本 博 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00028870)
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研究分担者 |
大谷 玲美子 神戸学院大学, 薬学部, 実験助手 (00203828)
伊藤 徳夫 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (60176352)
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キーワード | 急性期蛋白 / キニノ-ゲン / アンジオテンシノ-ゲン / インタ-ロイキン6 |
研究概要 |
急性期蛋白アンジオテンシノ-ゲン(AGN)の誘導機構と機能: 慢性炎症としてラットのアジュバント関節炎モデルを作成し、その血漿AGN濃度の変化を追ったところ、アジュバント処置後の急性期に血漿AGN濃度の増加が見られたが、その反応は一過性であり持続性の増加ではなかった。一方、ラットにおける急性期蛋白として知られるTーキニノ-ゲン及びα_2ーマクログロブリンについては、アジュバント処置後の急性から慢性炎症にいたる全過程でその血漿濃度は増加を示した。このようなAGNと他の急性期蛋白の相違が、それらの肝細胞での産生を調節する白血球由来サイトカイン種の相違に基づくかを明かにするため、現在血漿インタ-ロイキン6レベルの測定を行っている。一方、マウスに起炎刺激を与え、経時的に採取した血漿をラットの肝癌細胞株Hー4細胞培養系に添加すると、そのAGN産生の増加することを見いだした。このマウス血漿中のAGN産生刺激因子がインタ-ロイキン6であるかについて、現在検討中である。 炎症急性期に血漿中に増加するAGNが、レニン-アンジオテンシン系にどのような影響を与えるかについてLPS急性炎症ラットについて検討した。その結果、LPS処置後4時間まで血漿レニン濃度の低下が観察され、同時に血漿アンジオテンシンI産生活性(レニン活性)の低下も見られたが、血漿レニン濃度が正常レベルに回復した16時間後では逆にアンジオテンシンI産生活性は亢進した。この急性炎症16時間のアンジオテンシンI産生増加は血漿AGN濃度増加と一致し、このことは炎症時の血漿AGN濃度増加がレニンーアンジオテンシン系に促進的に関与することを示す。
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