赤血球増殖分化因子エリスロポエチン(EPO)で分化誘導するマウス赤芽球白血病細胞株より、膜結合型リボソームmRANを調整し、そのcDNAライブラリーを高発現ベクターSRαに構築した。cDNAのサイズフラクションを行った後、約1万個のクローンを20個づつのプールにし、マウスL細胞にトランスフェクションした。2日後に、^<125>IラベルしたEPOの結合をオートラジオグラフで見る方法と、EPO糖鎖のアビジン・ビオチン蛍光ラベルし、受容体発現し細胞に結合後、セルリーターを用いてソーティングする方法を用いて、現在スクリーニング中である。赤血球細胞分化機序の解析を、EPO投与による細胞極内応答としての癌遺伝子C-mybの発現制御を詳細に調べた。C-myb遺伝子の発現停止が細胞分化決定た必須のプロセスであり、これが転写開始と延長のレベルで制御されており、mRNAの安定性の故ではないことを証明した。更に、C-mybの発現は、C-jumIAP-1蛋白質によりトランス活性化されていることCATアッセイで明らかにし、ゲルシフト法によりAP-1結合部位の固定と結合の特異性を抗C-fos抗体とAP-1結合ONA断片で証明した。フットプリント法により、その結合塩基配列蛋白質も見い出し、現在その蛋白質による血液細胞におけるC-mybの高発現の制御機序を詳細に解析中である。受容体を会したシグナル伝承機序については、EPOによる一過性の細胞質Ca^<2+>の上昇を見い出した。ジアシルブリセロールとIP3のレベルは顕著に変化は見られないが、膜結合型Cキナーゼの分布がEPO投与後に増加することから、Cキナーゼの関与が考えられた。またcAMPのレベルは上昇すること、Aキナーゼの刺激により細胞分化促進効果が観察されたのでAキナーゼの関与が示唆された。
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