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1988 年度 実績報告書

形態認知過程の色彩情報による分析

研究課題

研究課題/領域番号 63510056
研究機関京都大学

研究代表者

江島 義道  京都大学, 教養部, 助教授 (60026143)

研究分担者 福田 市朗  京都大学, 教養部, 助手 (00165284)
キーワード主観的輪郭線 / 反対色系 / 形態知覚
研究概要

光源ー分光器ーアパチャー、及び、フレームバファー、カラーCRTによる色彩パターン刺激提示・反応測定システムを作製し、光学的較正を行った。刺激の光強度、色度、提示時間はコンピュータによって制御され、被験者の反応はコンピュータに読み込まれる。カラーCRTシステムは、分光器システムに組み込むことによりマックスウェル視提示ができ、又、単独で用いることにより自然視提示が可能である。
研究計画の初年度は、カラーCRTシステムを用いて、主観的輪郭線知覚の検討を行った。輪郭線は図一地分化の基底をなす刺激要素であり、輪郭線の知覚がどのような機構で成立するかということは、形態認知に関する基本的問題の1つである。本研究では、主観的輪郭線の知覚について、色度、空間変数の効果を検討した。その結果、以下のことが明らかとなった。
1.等輝度色彩パターンによって主観的輪郭線知覚が生じ、これは色処理系の関与による。
2.色彩パターンによる主観的輪郭線の知覚への色度の効果は、飽和度弁別と類以の特性を示し、赤ー緑軸で生じやすく、第3色盲混同軸で生じにくい。このことは、赤ー緑反対色彩の関与を意味し、実際の色差境界線検出の場合と対応する。
3.パターンの線の幅は主観的輪郭線の知覚に効果をもつが、線の間隔は影響しない。これは、同様の刺激パターンを用いたサルの皮質18野の電気生理学的測定結果と対応する。
以上のことから、輪郭線は、網膜ーLGNでの赤ー緑反対色系による色ー形態同時処理過程により抽出され、この情報がより高次のレベルで統合されることにより輪郭線の知覚が成立すると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Ejima;S.Takahashi: Vision Research. 28. 1367-1377 (1988)

  • [文献書誌] Y.Ejima;Y.Ohtani: Perception&Psychophysics.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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