本研究は、評価的状況を予期している時点で人々がどのような認知的・行動的対処を行うかについて、「セルフ・ハンディ・キャッピング」(課題の遂行に失敗した場合のために、あらかじめ弁解の材料〔努力の抑制・身体的不調の主張など〕を準備しようとすること)の枠組から実験・調査を行うものであった。その準備段階として本年度は次の研究を行った。 (1)各種測定尺度の信頼性・妥当性の検討、次年度に実施される実験・および調査研究では、自尊心尺度、自己概念尺度、セルフ・ハンディ・キャッピング尺度などは使用する予定であるので、これらの尺度の項目の選定および項目分析を実施した。その結果、SH尺度を除いてはおおむね満足のゆく結果が得られた。 (2)調査用紙作成のための面接 次年度は教育実習に参加する学生を対象にした調査を実施するが、その準備として今年度実習に参加した学生約20名に面接調査を行い、実習参加前の不安の程度やその対処法に関して多くの資料を得た。現在、これらの資料をもとに、具体的な質問項目の作成を進めている。
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