研究概要 |
CFSI(蓄積的疲労徴候インデックス)は疲労感評定尺度の一つであって、労働関連ストレス評価法として用いている。本研究は、CFSIの信頼性および妥当性を検証することを目的としている。 研究第2年度(平成元年度)は、第1年度の調査で得られた資料の分析を主とし、さらに、他の職場を対象とした調査を進め、資料の蓄積をはかった。 CFSIによる疲労徴候(ストレス)特性は、8特性に分類されている。すなわち、F_IA(不安徴候)、F_IB(抑うつ状態)、F_2(一般的疲労感)、F_3(イライラの状態)、F_4(労働意欲低下)、F_5(気力減退)、F_6(慢性疲労徴候)、F_7(身体不調)の8特性項目群である。信頼性、妥当性の検証はTestーRetest方式による。各特性への平均訴え率の変動を調べた。 (1)応答パタ-ン(判定パタ-ン):対象となった看護婦全体でみると、第1回調査(N=562)では、パタ-ンは「IIIーF_6],第2回調査では、「IIーF_6]となっている。 (2)仕事の状況別に応答パタ-ンをとらえてみた。仕事の状況は、1)いつもより忙しい、2)いつもと大体同じ、3)いつもより楽の3段階評価による(自己申告)。結果は、仕事の状況が調査第1回時1)、第2回調査時も、1)の場合、1)→1)では、パタ-ンは「IIIーF_2,F_6]→[IIIーF_2,F_6]と変化はない(N=116)。仕事の状況が1)→2)のグル-プでは、パタ-ンは「IVーF_6,f_2]から[IIーF_6f_2](N=90)と大きく変化を示した。仕事状況が2)→1)のグル-プでは「IIIーF_6,f_2]から「IIIーF_6,F_2,F_5](N=83)となって、2回目の調査時は忙しい状況を示すパタ-ンとなっている。忙しさを表現する尺度としての妥当性が証明される資料が得られたと考えている。 (3)第1回調査と第2回調査とのインタ-バル別の相関分析も行った。
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