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1988 年度 実績報告書

地域社会紛争と地方政治の政治社会学的研究-古都税問題の政治社会学-

研究課題

研究課題/領域番号 63510112
研究機関追手門学院大学

研究代表者

田中 滋  追手門学院大学, 文学部, 助教授 (60155132)

キーワード地方政治 / オール与党体制 / 首長論 / 媒介権力論 / 古都税問題 / 地域社会紛争 / 社会運動 / 地域比較研究
研究概要

本研究は、中央レベルの政治過程に比べ従来軽視されがちであったところの地方政治過程のダイナミックスを明らかにすることを狙いとする。その手掛りとして、本研究は、通常では不可視の地方政治過程が一挙に顕在化するところの地域社会紛争を素材としてケース・スタディをおこなうことにし、具体的には、京都市の古都保存協力税問題を選んだ。
当初の研究実施計画において想定しておいた4つの調査・研究項目(1.紛争当事者へのインタビュー、2.市民を対象とした質問紙調査結果の分析、3.地域比較研究、4.文献・理論研究)は、それぞれ順調に実施することができた。
1.インタビューにおいては、古都税問題の当事者から新聞報道などでは知りえない紛争の詳細な経過について聴取した。また、インタビューと4.文献・理論研究とのフィード・バックの過程から、一つには、京都市のオール与党体制においては、首長、官僚、議会の「三竦み」的関係がこれら三者の利害関係の安定を導いていること、また反面では、政治を市民の手の届かぬものとしていること等を明らかにし、二つには、社会科学が苦手とする個人的要因の分析のための理論の端緒ともなりうるものとしての首長論の研究を進めることができた。3.比較研究においては、古都税と同様の税を施行しながらも紛争にまでは到らなかった日光、平泉、松島の各自治体と京都とを比較することによって、一つには、京都における紛争化の原因を、人口規模、観光産業の比重、当事者の数等々から考察し、二つには、これらの考察から地域社会紛争一般の研究のための指針を与えることができた。2.質問紙調査結果の分析については、多様な分析手法を用いてのより適確な分析をめざす作業を継続している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 田中滋: ソミオロジ. 31-1. 107-112 (1986)

  • [文献書誌] 田中滋: 現代社会学. 23. 58-75 (1987)

  • [文献書誌] 田中滋: "「『古都保存協力税問題についての市民意識調査』-質問紙調査の一事例として-宝月 誠他 『社会調査』" 有斐閣, (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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